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Oshizuki Building Side Story
第1章 Shining bright Moon

「俺に背中向けて、ひとりでそんなことをして。それにキスするなら、俺にしてよ。……あんなに可愛く俺にキスしてきて、俺だけが好きだって、俺の腕の中で喘いでいたのに」
「な……」
「思い出させてあげないとね」
朱羽の舌が耳の穴に入り、両手で両乳房を揉みしだかれる。そして時折、勃ちあがってくる尖りを指先でひっかくように刺激を与えられて。
「は、ぅ……ん……っ」
指先できゅっと尖りを摘ままれて。
朝方になるまで続けられた情事が、身体の中で再現される。
「ぁ、ぅ……はっ」
朱羽の片足が、あたしの足の間に入ってきて、あたしの足を揺らすようにしながら、それまで散々攻められ続けてきた秘部を摩擦してくる。
「……ごめん。陽菜、こっち向いて」
上擦った声が聞こえて、あたしは身じろぎするように向きを変える。
そこには仄かに微睡むような朱羽の顔があった。
「朝一番は、やっぱり……"おはよう"」
朱羽は、一緒に寝た朝は、必ずおはようと声をかけてくれる。
一日の一番最後におやすみを、一日の一番最初におはようを、必ずあたしにくれる。
「おはよう、朱羽」
朱羽はふわりと微笑んだ。
あんなに夜通し、いやらしいことをしたひととは思えない、情欲など一切なにもないような清廉な美しい笑顔で。
だけどどこか倦怠感を漂わせ、それが色気となり、どこまでも表情とは矛盾した妖しさを醸し出している。
それと同時に、朱羽の匂いが濃厚になり、頭がくらくらする。
「身体は大丈夫? 俺、かなり飛ばしたから……」
「大丈夫」
あたしは朱羽に抱きついて、その胸に顔を埋めた。
肌が朱羽の素肌を感じるのが、とても心地よい。
ほどよく熱く、ほどよくしっとりと、ほどよく固いあたしの好みの男の身体。
彼に抱きついた全裸の状態で、このまま永遠に時間を止めて欲しくなる。

