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Oshizuki Building Side Story
第1章 Shining bright Moon
 
 
 ちゅっとあたしの頭にキスを落とされた。

「すごく幸せ」

 またちゅっとキスが落とされる。

「俺の陽菜」

 ちゅっ。

 そうやって独占欲を出してくれるのが嬉しい。

 この匂いと熱にこうして包まれるのが幸せで。

 もぞっと動いて、朱羽を見たら、ちょうど朱羽もあたしの顔を覗き込み、ちょっと首を傾げるようにして、微笑む。

「どうした?」

 その聞き方が優しくて、そして甘々で。

 朱羽を見ながら、朱羽の胸にちゅっと唇をつける。

「したいの?」

 朱羽があたしの頭を撫でる。

「朱羽が、好きなの」

「ん?」

「朱羽が好きで、たまらなくて」

 ちゅっちゅっとキスをすると朱羽の片手があたしの頬に添えられ、再び上を見上げる形に固定させる。

 そしてそのまま背を丸めるようにして、あたしと額を軽くぶつけた。

「どうしてそんなに可愛いことを言うの? 俺の理性を壊したい?」

「……っ」

「俺が陽菜に可愛いとか好きだって言っている気持ち、少しはわかってくれたのなら、嬉しいね」

 視線が合う。

 長い睫の切れ長の目。

 とろりとした茶色い瞳に魅入られ、動けなくなる。

 微笑んだ朱羽からちゅっとキスをされる。

 そしてまた目が合うと、前髪を掻き上げられながら、再びちゅっと軽く触れては消えていく。

 
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