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Oshizuki Building Side Story
第6章 Flapping to the future!
 
「あの……よかったら」

 その時、突然に声をかけてきたのは、線の細そうな美少年だった。
 それは初めて会った、朱羽を彷彿させるもので。

 手渡されたのは、BARのチラシ。
 改めて見ると、少年はバーテンのような格好をしていた。

「カクテルとかお酒、作られるんですか?」

 思わず尋ねると、朱羽の面影を持つ彼は、はにかんだように笑う。

「勉強中ですが」
「だったら、あの……」

 あたしが思い出すのは、あの紫色のカクテル。

「ブルームーンって作れますか?」

――ブルームーンは、断りのカクテルなんだって。

 ブルームーンという紫色のカクテルには、2つの意味があるという。

 1つは、「完全なる愛」
 もう1つは、「叶わぬ恋」

「ブルームーンが、飲みたくて……」

 泣いてしまったあたしに、彼はなにかを察したようで、少し困った顔をしながら頷いた。

「作れますよ」

 きっと今、ここでバーテンダーの彼と出会ったのは、神様からのお告げだったのかも知れない。

 始めたものを、終わらせなさいという。

「じゃあ、連れて行って下さい」

 ブルームーンで終わらせよう。
 完全なる愛が、叶わぬ恋へと変わったのだ。

「では、行きましょう……」

 だから――。
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