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Oshizuki Building Side Story
第6章 Flapping to the future!

 
 手招く彼についていこうと足を踏み出した瞬間だった。


「――行かせない!!」


 ぐいと手を後ろに引かれ、そして抱きしめられたのは。
 荒い息と共に、鼻に漂うのはイランイランの香り。

「俺は別れない! あなたが生涯、恋するのは俺だけだ。この男ではない!」

 痛いくらいにぎゅっと抱きしめられる。

 朱羽だ。
 朱羽がいる。

 会いたい気持ちと、会いたくなかった気持ちが鬩ぎ合い、あたしは半狂乱のように抵抗してしまう。

「離して!」
「嫌だ」
「離してってば!」
「嫌だって言っているだろう!?」

 怒鳴られてあたしはカチンときて、渾身の力で朱羽を突き飛ばす。

「もう気持ちがないのに、思わせぶりなことはやめて!」
「気持ちがない!? 俺を信じていないのは、そう願おうとしている陽菜じゃないのか!?」

 これは……、穏やかな口調をしていた、理知的な美貌をもつ朱羽なのだろうか。
 髪を振り乱し、月光を浴びた琥珀色の瞳は、ぎらぎらと滾っている。
 それはどこか渉さんにも似たワイルドさを漂わせ、そして悲痛だった。
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