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Oshizuki Building Side Story
第6章 Flapping to the future!

「俺はあなたが好きだ。何度言えばあなたはそれを信じるんだ!」
「あたしだって信じていた。だけど」
「だけどじゃないよ! どうすればあなたは俺の気持ちを受け入れてくれるんだよ。なんで指輪を返そうとするんだよ、俺を拒んでいるのは陽菜じゃないか!」
あたしのせいにされたあたしは、さらにカチンとして言い返す。
「自分のことは棚にあげて、あたしのせいにするの!?」
「俺があなたが好きで仕方がないって、あれほど口でも体でも教えていたのに、わかってくれないからじゃないか!! どうすれば信じる? この胸裂いて見てみるか!? 俺がどれだけ陽菜が好きなのか」
あたしの目からじわりと涙が出てくる。
「だったらどうして、あたしに触れてくれないの……?」
「それは……」
言い淀む朱羽を見て、あたしの目から恥も外聞も捨てた涙が滝のように零れて。
「触れられなくなったんでしょう!? いいよ、無理して触らなくても。触りたいひとのところに、さっさと行けば……」
言いたいのはこんな言葉じゃない。
朱羽、嫌わないで。
こんな醜いあたしを、これ以上嫌いにならないで。
嫌われたくないのに、嫌われるような言葉しか出てこない。
「陽菜、それはあなたの勘違い……」
「勘違い? そんなはずないでしょう!? あたしを馬鹿にしない……」
「黙って!」
泣きわめいてぐちゃぐちゃのあたしは、朱羽に唇を奪われた。

