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Oshizuki Building Side Story
第6章 Flapping to the future!
 
 胸が痛い。
 まるであたしが、朱羽を追い詰めているかのよう。

 だけど――。

「だったら、教えて。朱羽はこの10日、どこでどんなひとと仕事をしていたの?」
「それは……」

 真っ直ぐだったその目が僅かに泳ぐと、あたしの目からまた涙が零れる。

「言えないことをしたんでしょう!? サムライガールが気になって仕方がないんでしょう!?」
「サムライ……渉さんも言っていたけど、それはなんだよ!」
「武士みたいな言葉遣いの女性とLINEしていたくせに! あたし見たの、通知で、接吻がどうとか言われているの。会って接吻したんでしょう!?」

 ああ、あたし――。

「朱羽のこと、こんな風に言いたくなかったのに……」

 これ以上ないというくらい、醜い。
 嫉妬に駆られたあたしは、ドブスもいいところだ。

 言いたくないよ。
 ますます嫌われるようなこと。

 唇を噛みしめ、涙を堪える。

「LINE……」

 なにかを考えていた朱羽だったが、思い出したようにスマホを見て、画面をあたしに見せる。

「このこと!?」

 そこには、あのサムライ語が書かれたメッセージがあるというのに、相手の名前が『キタミ』になっている。

「……キタミのひまりんって言うんだ」

 そう呟くと、朱羽は言う。

「違う! これはキタミさんで……。ああ、もうくそっ!」

 朱羽がそのLINEの画面からLINE電話をする。

「い、いいよ、あたし達は別れたんだから……あ、向こうに別れたと宣言したいということ?」

 言ってて悲しくなるあたしに、朱羽は。

「違うよ! 俺と陽菜は別れていない! 絶対別れさせない! ああ、早く出ろよ、クソキタミ!」

 それは日頃の朱羽からは聞けない、暴言。
 ……かなりいらいらしているみたいだ。
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