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LOVE JUICE
第1章 電車で感じてごめんなさい
『ふふっ…』

サラリーマンの男は小さく笑って私の耳元に手を伸ばした。

「キャッ……」

何事かと思い小さく悲鳴をあげる。私の耳に、もう片方のイヤフォンをさしこむ。


『ずっとこうされたかったんだろ、こんな濡らして』

(えっ?!)

聞こえてきた音声に驚き男の方を見上げると口角を少しあげ、スマホの画面をこちらへ向けた。
覗き込むとそこには今と同じような満員電車が映っていた。

(これ…痴漢モノのアダルト動画……?)

『痴漢されて感じてんだろ』

クイッ

「あっ…はぁ……」

(動かさないで…!)

『こんな頬赤くして目ぇ潤ませて』

必死に抵抗しようと男を睨むがその度に腿を押し付けられる。

(やだやだやだ…ちょうどそこ……当たって気持ちいい…)

画面の中の女性はスカートを捲られ下着の中に手を入れられ弄られている。クチュクチュなんて音では済まされない、もっと激しい水音が片耳に届く。

男は膝から腿にかけてを擦るように動かしてくる。

『真面目そうな顔してんのになぁ』

(もうやめて…)


不意に男は動きを緩めた。とはいってもまだゆるゆると前後に動かしてはいるが。

『こんなに濡らして…周りの人にばれちゃうよ?ねぇ、イキたい?イキたいんでしょう?』

男はこちらを楽しそうに微笑みながら見ている。悔しい、悔しいのに……

(あぁ、私、気持ちいいこと、好き…イキたいよぅ……)

画面の中の痴漢は中に入れている指をさらに激しく動かし、女性を快楽へと誘おうとしている。

(イキたい…私も……)
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