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隠しごと
第3章 痴漢

意外な声が、すぐに失笑に切り替わった。
俺は恥辱と焦りとで体が火照る。
何か聞きたくても、迂闊に口を開けば快感に酔った声が漏れそうで油断ならない。
ほんの少し前まで、自分の性感帯がこんなにあることさえ知らなかった。
もう自分の体じゃないみたいだ。
吊り革を握りこんで、指の侵入を防ごうと括約筋を締めても、無作法に侵入してきたソレは止まらない。
「痛…ッ、抜い」
俺は必死に後ろに声をかける。間違って泣きそうになりながら。
「しゃあないなぁ、そんならちゃんとお願いせなな。」
「…ッ、抜いて、くださ…い…お願い…右京」
「…」
急に黙りこんだアイツは、あろうことか後ろに入れていた手を前に移動させた。
シュクシュク
「アッ…ゥンンッ、ヒアッ」
後ろの痛みなど忘れる程に前をしごかれる刺激で足が震えた。
前に座るサラリーマンは寝ていて気づかない。
ついには先走りを出し始めた俺に
「これで痛いことなくなるで」
「…?」
俺から出た液体で塗らされた指が、グチャグチャ泡立て粘膜をやわらげながら入ってくる。
蕩けるような快感が押し寄せた。
異物感と訳がわからない快感に喉をふさぐ。
「ッ、…フゥ…ン」
俺の内部を、蛇のような反則気味の指使いで掻き回す。
「アッン…………ヤメ……アゥ」
「窓、向いてみ。中ほじられて感じてるエロい顔、見えるで」
サラリーマン越しに見える窓には、顔を真っ赤にして、トロンとした目をした見たことのない自分。
顔から火が出そうだ。

