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隠しごと
第4章 遠淫
『じゃあ先っぽから触ったる。見てみ、ネットリしとって、俺の指、お前の液でベチョベチョや』
右京の言う通りに自身に触れると、根元まで垂れていた体液が窪みから次々と流れてくる。
透明に透き通った、止まることのない湧水。
それを指先に纏わせて、親指の腹で窪みを押すと、自然と声が漏れた。
「ンアッ…ァ!右京ッ、ウキョッ、ソコ、ヤアッ…」
『これ好きやろ。スケベな汁、めっちゃ出とるよ。』
こんな会話をしているのに、アイツは切羽詰まって聞こえない。
そんなアイツの声が、俺を余計に高ぶらせる。
(けど…悔しい)
「違っ…気持ち、けど…先っぽじゃなくて…扱いて欲し…」
パソコン台の上に置いたマイクに唇を寄せて、そうねだる。
あいつにはどんなふうに聞こえているのか。
『ええよ、じゃあ…』
「アッ…右京待て、よ」
『なん?』
ああ…声が震える
「…俺もヤル…から、お前の」
しばらくの沈黙。
よし、今なら死ねる。
余裕で死ねる。
羞恥と絶望とで入る穴を探していたら
『…そんならシテもらおか』
そう言って、マイク越しに、僅かに衣擦れの音と、ジッパーを下げる音が聞こえた。
濡れた音が俺の耳に届いた。