この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
サキュバスちゃんの純情《長編》
第8章 兄弟の提携

「……て」
「て?」
「手、繋いじゃ、ダメ?」

 一瞬、翔吾くんの動きが止まる。止まって、目を見開いて、私を見下ろす。
 その動きだけで、翔吾くんが私と手を繋がなかったのは意図があったのだと理解する。やっぱり、勘違いじゃなかった。手を繋ぎたくなかったんだ。

「繋ぎたい」
「あかり」
「も、私、触りたくない?」

 私が汚いから? 許せないから? 別れるから?
 だったら、生殺しみたいなことはしないで、ハッキリそう言って。

「わた……きたない?」

 ぎゅう、と抱きすくめられる。
 熱い熱い抱擁に、涙が止まらない。精一杯手を伸ばして、翔吾くんの背中を抱きしめる。

「ごめん、あかり。不安にさせたね」
「しょーごく」
「あかりは汚くない。触りたいよ、俺だって。でも、一瞬でも触れたら、歯止めがきかなくなるから……我慢してた」
「はど、め?」
「我慢、してたのに――あかりのバカ」

 公衆の面前で抱き合っていることを、恥ずかしいと思わないわけじゃない。でも、それ以上に嬉しいのだから、仕方ない。

「あかり、ごめん……今すぐ抱きたい」

 耳元に落とされた甘い爆弾に、私の理性が吹き飛ばされる。
 謝らなきゃいけないのは私なのに。
 抱いて欲しいのは私なのに。

 翔吾くん、ありがとう――。

/581ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ