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サキュバスちゃんの純情《長編》
第8章 兄弟の提携

「本気になったら別れなきゃいけないのに、ただの好奇心で俺に本気かどうか聞くなんて、本当にあかりは残酷だよ」
「……ごめんなさい」

 そうだ、よね。
 本気になったらダメな関係なのに、本気かどうか聞くのはマナー違反だ。本当にごめんなさい。私がバカで、浅はかで、愚かだった。

「誰か、はセフレ?」
「違うよ。男の人だけど」
「じゃあ、その男とは絶対にセックスしないで。セフレに加えないで。あかりに振り回される喜びを、そいつに分け与えたくない」

 ……翔吾くん、Mでしょ、やっぱり。
 キスをしながら、少しずつ勃ち上がってくるものの気配に、スイッチの切り替えが早いなぁと笑う。

「翔吾くん、私とのキスは甘い?」
「甘い、のかな。まぁ、キスってそんなもんでしょ」
「愛液も?」
「んー……普通だよ。あかりの味は好きだけど、特別甘いわけじゃないよ」

 人間とそう変わりはない、ということ? 甘いから催淫効果があるわけじゃない?
 他の人とも経験が豊富な翔吾くんに聞いて良かった。相馬さんでも良かったけど、湯川先生や健吾くんでは役に立ちそうになかったから。

「私の体は、好き?」
「あかりの体、も、好き」
「も?」
「これ以上の言葉を聞き出したいなら、覚悟を決めて、ね」

 別れる覚悟か、付き合う覚悟。
 私が言い淀んだのを見て意地悪く笑って、翔吾くんはゆっくりと私の上に乗ってくる。

「お風呂に入る前に、イカせてあげる」
「イクのは、別に……っあ!」
「俺の気持ちを弄んだお仕置き、ね。何回イカせられるかなぁ」

 翔吾くんの指が遠慮なくショーツの隙間から差し込まれ、思わぬ刺激に声が出てしまう。
 三十分かけて焦らされるよりは、早くイカせて欲しいなぁなんて思いながら、私は翔吾くんに抱きついた。

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