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サキュバスちゃんの純情《長編》
第8章 兄弟の提携

「……健吾だ」
「朝ごはん?」
「たぶん。抜きたくないなぁ。繋がったまま行く?」

 翔吾くんの額をペチンと叩いて、苦笑する。確かに私はイッたあとは繋がったままが好きだけど、そうはいかないでしょうが。

「行こ」
「……はーい」

 ズルと抜かれた肉棒は、既に萎えて柔らかい。なくなってしまった質量と熱に名残惜しさを感じながら、ベッドの縁まで移動して……立ち上がろうとして「ひあ!」と素っ頓狂な声を上げてしまう。
 体がガクリと床に落ちたのだ。足と腰に力が入らない。

「あかり?」
「翔吾くん、ごめん、肩、貸して」
「どしたの?」
「……ヤリすぎたみたい」

 床にへたり込んで裸のまま呆然とする私に、ボクサーパンツをはいた翔吾くんは「ごめん」と言いながら近寄ってきて、すぐさまベッドに抱き上げてくれる。

「俺のせいだね。いや、俺たち、か」
「テニス、できるかな?」
「今日はやめておこう。怪我したら大変だし、あかりの体のほうが大事だよ」

 手際よくキャリーバッグから下着やら服やらを取り出して、翔吾くんが持って来てくれる。……ショーツとキャミソールだけ、だけど。

「朝食持ってくるから、ゆっくりしてて」
「あの、服は」
「それ着てて。そっちのほうが喜ぶから」

 誰が、と聞く間もなく翔吾くんは部屋を出ていってしまう。もう、何となく、意図はわかってしまった。
 そして、ティッシュで処理をしてショーツとキャミソールを身に着けた直後に、トレイを持って現れたのは――。

「あかりさん、大丈夫!?」

 慌てた様子の、健吾くん、だ。

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