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サキュバスちゃんの純情《長編》
第8章 兄弟の提携

「足腰立たなくなったって……っわ、わ、なんて格好を!」

 なんて格好をさせるの、とはあなたのお兄さんに聞いてください。せめてブラは着けたかったです。
 テーブルにいい匂いがする朝食のトレイを置いて、真っ赤になった健吾くんが私に近づいてくる。彼の視線は胸に釘付け。ノーブラには気づいているらしい。おっぱい星人は相変わらずのようだ。

「おはよう、あかりさん」
「おはよ、健吾くん」
「……キス、していい? 触っていい?」

 そこのトースト、先に食べてしまいたかったのに。
 軽井沢にいる間は、私は二人の玩具か、人形か。
 まったく、もう。
 苦笑しながら「いいよ」と言って、健吾くんの唇と指を受け入れるのだ。


◆◇◆◇◆


 キスと触るだけ――で終わるはずがなかった。脱童貞を果たしたばかりのハタチの性欲は、留まるところを知らない。
 キスをしながらキャミソールの紐をずらし、現れた双丘に指を這わせ、揉み、舐める。舐め――!?

「やっ、あ!!」

 イッたばかりの体にそれは刺激が強すぎる。気持ち良すぎる。
 けれど、私の顔を一瞬見ただけで、健吾くんはまた容赦なく突起を口に含む。美味しそうにむしゃぶりついている、という表現が一番正しい。
 私の乳首は飴じゃない。

「け、健吾、くっ」
「さっき、翔吾としたんだろ? じゃあ、俺もしたい」
「ダメ、ほんと、無理っ!」

 既に足腰が立たなくなっているのだから、これ以上の刺激は、本当に死活問題ですっ! 私、今日何もできなくなっちゃう!

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