この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
サキュバスちゃんの純情《長編》
第10章 黒白な告白

 お粥やスープを温め直して、湯川先生に食べてもらう。「美味しい、美味しい」と笑う先生の顔色は悪くない。快方に向かっているようで安心した。

「久しぶりに家庭料理を食べた気がするよ」
「自炊しないでしょ?」
「うん、あんまり、ね」

 鍋もフライパンも調理器具も、高価そうなものがそろっているのに、あまり使われた形跡がなかったのはそのせいか。冷蔵庫の中の調味料も、大半が消費期限を過ぎていた。
 もったいないなぁ。いいキッチンがあるのに、あれは飾りか。もったいない。

「ここ最近、神経を使う手術ばかりで疲れていたのかな……合間におにぎりとか菓子パンしか食べていなかったし」
「医者って大変なんだね。風邪引いて当たり前だよ、そんな生活じゃあ」
「あかりが毎日『好き』って言ってくれたら頑張れるよ」

 洗い物をしながら「好きだよ」と言ってみる。湯川先生は照れたのか、顔を赤くする。リクエストしたのは先生なのに。

「毎日言ってほしい?」
「できれば、ね」
「じゃあ、そうする」
「……俺、幸せすぎて死にそう」

 幸せすぎて死んだ人なんていないでしょ、と笑いながらタオルで手を拭く。
 そして、椅子に座ったままの先生に抱きついて、キスをして、「好き」の雨を降らしてみる。先生は真っ赤になりながら、微笑む。

 ……やりすぎると、確かに心臓には悪いのかもしれない。先生の心臓はめちゃくちゃドキドキしているから。
 もしかしたら、幸せすぎて死ぬ人もいるのかもしれない。聞いたことはないけれど、私が知らないだけで。

「……あー、ダメ、押し倒したくなる」
「ご飯食べたばかりだから、やめておこうね」

 笑いながら、ソファに移動する。ベージュの柔らかい素材のソファは、座ると深々とお尻が沈む。気持ちがいい。
 隣に座り、キスをする。ムラムラする気持ちは抑えながら、しばらくお互いの唇の感触を楽しむ。
 これ以上すると止められなくなる、というギリギリのところで、おしまい。続きはベッドで、だ。

/581ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ