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サキュバスちゃんの純情《長編》
第11章 幸福な降伏

 壁際のベッドで翔吾くんが寝息を立てて寝始めたことを確認してから、窓側で眠る湯川先生のベッドに潜り込む。
 ソファは、ちょっと固い。快適な睡眠を望むのは難しい。だから、寝心地の良さそうなふかふかのベッドで眠りたい。

 翔吾くんのベッドでも良かったのだけれど、二回もセックスをしたあとでまた一緒に眠るのは、湯川先生に申し訳なかった。そんな理由だ。

「おやすみ、せんせ」

 ちゅ、と額にキスをして、肌着だけの腕の隙間に体を潜り込ませて、先生に背を向けて目を閉じる。
 長い一日がこれでようやく終わる。終わったのだ。

 ――と、思ったのに。
 先生の指がじわじわとバスローブの中に侵入してくる。
 ん? 先生? 寝ぼけて、る?
 ゆっくりと熱い指が胸元を這い、徐々に頂きにたどり着く。
 ……せんせ?
 そして、いきなり強く乳首が指に挟まれ、捏ねられる。

「んっ、ふ……」
「声、我慢できるね?」

 起きてた! 先生起きていたよ! ……まさか、起こしちゃった!?

 耳元で囁かれる声は色っぽく、それだけで先生が欲情しているのだとわかる。今しがた熱を持ったものではない、と思う。

「せん、せ?」
「翔吾とするのは気持ち良かった?」

 あぁあ! しっかりバレてる! お風呂でしていたこと、バレている!
 確かに、シャワールームへ行く前には履いていたスラックス、いつの間にか脱いでいるもんね! 今、気付いたよ!

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