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サキュバスちゃんの純情《長編》
第11章 幸福な降伏

「っ、は……」
「やっん」
弛緩しきって四肢を投げ出したままだらんとした私の乳首を舐め、健吾くんはゆっくりと腰を動かす。まだ適度な硬さを維持しているそれは、二回戦の誘いなのだろうか。
「……あかり」
「ん?」
「気持ち、良かった」
抜かないままキスをして、時折乳首を口に含みながら、健吾くんは微笑む。
「うん、やっぱり俺は、セフレでいいや。月イチくらいでセックスできればいい」
「え、うん、わかった」
唐突なセフレ宣言に、私は面食らってしまったけれど、それが健吾くんの考えなら反対はしない。たぶん、双子にとってはいい判断だと思うから。
「翔吾くんと、付き合うことになったよ」
「ん、おめでと」
「もう一人、恋人がいるんだけど」
「ま、いいんじゃない? 彼氏もセフレも全員事情を知っているなら」
気にしていない、といった感じで健吾くんはゆるゆると腰を動かす。緩慢な動きでも気持ちはいい。私もまだ繋がっていたいから、ちょうどいい。
「俺はあかりさんのことが好きだけど、翔吾と張り合いたいとは思わないから」
なるほど、翔吾くんは荒木さんのことを伝えていないようだ。たぶん、付き合うことになったことも、湯川先生に会ったことも。
翔吾くんが健吾くんに隠していたわけではないのだろう。私から直接健吾くんに伝えるべきだと判断したのだろう。
翔吾くんはそういう人だ。
「翔吾を愛してやってくれるなら、俺は何も言うことはないよ」
「健吾くんて、翔吾くんのことが好きだよね」
「……兄弟、だから、な」
美しい兄弟愛、ってやつね。その領域に、私が土足で入り込んでしまっただけで。いつか、出ていかないといけない領域なのだ。

