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サキュバスちゃんの純情《長編》
第11章 幸福な降伏

「俺に彼女ができるまで、セフレでいてあげるよ」
「うん、ありがとう」
「で、もう他の男の話は終わり?」
ぐいと体を抱き起こされて、不機嫌そうな健吾くんの唇が重ねられる。ずぶと奥まで埋まる肉杭は、既に硬い。
「ご、ごめ」
「セックスの最中くらい、俺のことだけ見ててよ。セフレだけどさ」
そういうつもりじゃなかったんだけど、と言い訳してもきっと健吾くんの機嫌は直らないだろう。
翔吾くんの話題を出したのは私だ。セックスのときに他の男の話をするのは厳禁。そんな簡単なルールを破ったのは私なのだから。
「怒ってる?」
「多少はね」
「ごめんなさい」
何度も唇を重ねて、舌を求め合って、許しを請う。この行為がただの戯れだとわかっている。本気で健吾くんが怒っているわけではないことくらい、わかっている。
「じゃあ、あかり――」
ほら。
意地悪そうな目で健吾くんは私を見る。浮かぶ笑みが、このあとの「罰」を口にする。
「――イカせて」
後ろに倒れた健吾くんの熱杭が角度を変え、膣内に快楽をもたらす。腰のラインをたどり、両手が目指すのは、相変わらず胸の頂きだ。
騎乗位で果てたいという希望を叶えるための、何ともおかしな茶番。小芝居は、まぁ、楽しかった。
「すぐイカないでよ?」
「大丈夫でしょ。さっきイッたし」
その自信は一体どこから来るのか。
初体験のときは七秒だったっけ?
あれから騎乗位大好きな子に育ててしまって、本当に申し訳ないと思う。もちろん、健吾くんの将来の彼女に対して、だ。マグロくんにならないといいんだけど。
「じゃ、遠慮なく」
さて、何分……何秒、保つかしら。
そんなことを考えながら、私はゆっくり腰を上げるのだ。

