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サキュバスちゃんの純情《長編》
第12章 性欲か生欲か
「っ、あ、イっ――」
肉棒の先で熱が爆ぜる。膣奥でじわりと精液が広がっていく。その精液は、今度は私の腹を満たしていく。
ビクビクと何度も震える翔吾くんの肉杭から精液を搾り取り、萎えていく湯川先生の肉棒を舌で舐りながら、私は思わず笑ってしまう。
――ダメだ、これは、気持ちいい。
笑ってしまうくらい、幸せだ。幸せすぎる。これは病みつきになってしまう。
私にとっては普通の――いわゆる、愛のないセックスが霞んでしまうくらいの、充足感だ。
イカなくても、満たされてしまう。
心も、体も。ぜんぶ。
「あかり?」
「大丈夫?」
二人が心配してくれている。心と体を。労ってくれている。
ちゅうと湯川先生の柔らかな肉棒を吸ったあと、口から取り出す。名残惜しいけど。
膣内から翔吾くんの萎えた肉杭も抜き取られてしまう。こちらも名残惜しい。
背後から翔吾くんに抱きつかれ、湯川先生には前からぎゅっとされて、やっぱり幸せだなぁと思う。
「……ありがと、望、翔吾」
声が震える。目の前が滲む。頬を熱が伝う。
外は灰色の世界。風も強い。今夜中にこのあたりを台風が通過していくだろう。
けれど、私の心は、嵐が去ったかのように穏やかだ。晴れやかだ。
「私……幸せだよ」
本当に良かった。
二人に出会えて、本当に。
「生きてて良かった……」
二人が無言で抱きしめてくれる。幸せな幸せな、暖かいサンドイッチ。
私はそのとき初めて――叡心先生が死んでしまってから初めて、生きていて良かったと、心の底から思ったのだ。