この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
サキュバスちゃんの純情《長編》
第12章 性欲か生欲か
――でも、まぁ、いいか。
どうしたって、私は貞淑な妻にはなれないし、身持ちの堅い彼女ではいられない。不特定多数の男性と交わることに抵抗もない、浮気性な女なのだ。
生きるために精液が必要だと言いながら、結局は、過程であるセックスも――好き、なんだと思う。
「あのねぇ、二人とも!」
ベッドに放り投げられて、既に臨戦態勢の二人を見上げて、私は笑うのだ。
「私を気持ち良くしたいだなんて言いながら、気持ち良くなりたいのは二人のほうでしょ!」
もう、操立てする必要は、ない。
私を愛した男たちの記憶ごと、叡心先生に愛してもらえばいい。愛した人に、過去も現在も、未来さえも認めてもらえばいい。
お腹が空きました。
セックスは食事、精液はご飯です。
体だけの関係で我慢――できなくなったら、あなたの愛をください。
「望み通り、気持ち良くさせてあげる」
ただ、求めて。私を。
私の愛も、あげるから。
「受け止めてあげるから――」
二人に両手を伸ばして、笑う。
お互い、気持ち良く、なりましょ。
「――おいで」
ね、二人とも。
精液、ちょうだい。
了