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サキュバスちゃんの純情《長編》
第12章 性欲か生欲か
「盛り上がっているとこ悪いけど、プロポーズは終わった? もう、いい?」
「良くない。あかりはこのまま俺と」
「いやいや、朝イチは俺だから」
「いや、俺だから」
「……何の話なの、まったく」
呆れて二人を見比べる。朝っぱらからセックスの話ですか、もう。
「あぁ、別に三人でもいいか!」
翔吾くんの提案に、湯川先生は頷き、私は目を丸くする。
「朝食まで時間あるし、ベッドでもヤッておきたいよね」
「昨日はベッド使っていないからなぁ」
「だから! 連日だと体が保たないってあれほど!」
言ったでしょ、とは言えず、唇が塞がれる。積極的に舌を絡めてくる湯川先生のキスに、先程までなかった情欲が孕んだことに気づく。
……あぁ、もう、煽られるとすぐにその気になっちゃうんだから!
「さ、あかり、行こうか」
ひょいと横抱きにされ、室内へと連れて行かれる。湯川先生も翔吾くんも笑っている。このあとに待っている展開を想像して、ゾッとする。
「気持ち良くなろうね、あかり」
「気持ち良くさせてあげるからね、あかり」
二人からそう微笑まれて、私は少しだけ、後悔する。
……心を許すのは一人だけにしておけば良かった。
二人、という選択肢は、ちょっと早まってしまったかもしれない。二人のうちどちらかを選ぶべきだったのかもしれない。