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第1章 【Case1】加藤 瑞姫 4歳

仕事を昨日、クビになった俺は、行く宛もなくデパートの中をウロウロしてた。

「ねぇ、マーマー？まぁだぁ？」

少し高めの声に、ふと周りを見回した。

¨可愛いな。幾つ位かな？アニメの美園ちゃんに似てる。¨

母親が、その女の子に向かって、何かを言ってた。

女の子は、少しつまらなそうにしていたが、母親のバーゲンに付き合うのは、飽きたらしく、ひとりでその場を離れた。

¨どこ行くんだろ？¨

俺も暇だったから、後ろからそっと着いて行った。

女の子は、エスカレーターに乗り、上へ上へと向かっている。

¨あっ、降りた！¨

キャンッ…キャンッ…ワンッ…

動物の鳴き声がした。

「ペット売り場か…」

よく来ているのか、女の子は、スタスタと歩いていく。

¨猫だ…。俺の家にも猫はいるが…種類は、知らん。捨て猫だったから。¨