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おにいちゃん、おしえて。
第1章 幼なじみ。
英司は、いつものクールな表情で「了解」と返事し、ジンジャーエールを飲んでいた。
「じゃあ、きーちゃんにもお守り買ってくるからねっ! 恋愛成就! いつか恋した時のために!」
現在、クラスメイトに片思い中の芽衣が、清花にまくし立てる。
宿泊予定の温泉街では、恋愛に御利益のあるお守りが買えるということで、芽衣は学校を休んででも行く気になっている。
清花は、初恋もまだ……という話になっているが、本当は英司のことが好きだった。
でも、成就させたいなんて思ってもいない。
――おにいちゃんにとって、私のことなんて、妹のようなものだと思うし。
多くは望まない。
性的な事もそうだが、恋愛にも少し奥手な清花だった。
食事を終えて、英司にお祝いを渡した帰り際。
母たちがダイニングで話に花を咲かせて、芽衣はスマホをいじっている。
その最中に清花は、英司の筋肉のついた細めの腕をきゅ、と握った。
「じゃあ、二日間よろしく…おにいちゃん。」
清花の、囁くような、砂糖菓子のような甘く透き通った声。
英司は少し戸惑い気味に、口元を拳で隠すようにして答える。
「ん。よろしくな。」
英司はさっきよりも、穏やかな表情で清花に返事をした。
「じゃあ、きーちゃんにもお守り買ってくるからねっ! 恋愛成就! いつか恋した時のために!」
現在、クラスメイトに片思い中の芽衣が、清花にまくし立てる。
宿泊予定の温泉街では、恋愛に御利益のあるお守りが買えるということで、芽衣は学校を休んででも行く気になっている。
清花は、初恋もまだ……という話になっているが、本当は英司のことが好きだった。
でも、成就させたいなんて思ってもいない。
――おにいちゃんにとって、私のことなんて、妹のようなものだと思うし。
多くは望まない。
性的な事もそうだが、恋愛にも少し奥手な清花だった。
食事を終えて、英司にお祝いを渡した帰り際。
母たちがダイニングで話に花を咲かせて、芽衣はスマホをいじっている。
その最中に清花は、英司の筋肉のついた細めの腕をきゅ、と握った。
「じゃあ、二日間よろしく…おにいちゃん。」
清花の、囁くような、砂糖菓子のような甘く透き通った声。
英司は少し戸惑い気味に、口元を拳で隠すようにして答える。
「ん。よろしくな。」
英司はさっきよりも、穏やかな表情で清花に返事をした。