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おにいちゃん、おしえて。
第7章 おにいちゃん、おしえて。
「ごめんなさいっ」

風呂から出てきた英司に、清花がぺこりと頭を下げる。

「……何が?」

英司には思い当たることがない。
謝らなければいけないのは、こんな淫らな行為をしている俺のような気もするが、と考える。

しゅんとしている清花が可愛くて、ぎゅっと抱きよせた。

「さっき、おもらししちゃったから……」

か弱い声で呟く可愛い幼なじみに、ああ、そのことかと苦笑した。

「だからおもらしじゃないって」
「そうなの?」
「多分……」

本当に怒ってはいない? と、背の低い清花が、長身の英司の瞳をそっと覗く。
にこっと英司が微笑んで見せると、清花は安心したように英司の胸に顔を埋めた。

「おにいちゃん、だーいすき」

清花は弾ける笑顔で、英司の胸の中で無比の幸せを感じた。
すうっと息を吸うと、英司の匂いが清花の胸に広がる。

「……清花、みかん食った?」
「うん、おいしかった」
「これから、みかん食う時は清花を思い出すかも」

お互いから柑橘の香りがしていた。
清花は、英司が同じことを思っていたことに嬉しくなった。

「おにいちゃん、好き……」

居間でふたり立ったまま、お互い強く抱きあう。
英司はしっかりとと頷いて見せ、二人、手を繋いで英司の部屋に向かった。
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