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おにいちゃん、おしえて。
第9章 初恋は実らない?
あれから次に会えた日は、バレンタインデーだった。
恋人同士として振るまうには、まだ時間が掛かりそうな二人は、誰の目も気にせず会えるわけでもなく、何とも微妙な関係で。
それでも、清花はどうしても英司に手作りチョコを渡したくて、はじめて作ったトリュフを小さな箱に入れて、学校帰りに大島家に行った。
英司は携帯を持っているが、清花は持っていない。
連絡を取ろうにもまだ番号も教えてもらっていなくて、家の電話に掛けるか、芽衣に連絡するしかなかった。
ピンポーン、と、大島家のチャイムを鳴らす。
「――あ。来た」
優しく目を細めて出てきたのは、英司だった。
久しく会っていない気がしたが、清花の目に映る英司は非の打ちどころがなくて、やっぱりかっこいい。
芽衣は新しく始めたバイトに行き、両親も仕事らしく、家に一人だった英司も今からバイトに行くところだった。
「ありがと。あんまり時間ないけど、上がって」
「うんっ」
居間に通されて、英司が振り向く。
清花が目を閉じると、唇が重なった。
恋人同士として振るまうには、まだ時間が掛かりそうな二人は、誰の目も気にせず会えるわけでもなく、何とも微妙な関係で。
それでも、清花はどうしても英司に手作りチョコを渡したくて、はじめて作ったトリュフを小さな箱に入れて、学校帰りに大島家に行った。
英司は携帯を持っているが、清花は持っていない。
連絡を取ろうにもまだ番号も教えてもらっていなくて、家の電話に掛けるか、芽衣に連絡するしかなかった。
ピンポーン、と、大島家のチャイムを鳴らす。
「――あ。来た」
優しく目を細めて出てきたのは、英司だった。
久しく会っていない気がしたが、清花の目に映る英司は非の打ちどころがなくて、やっぱりかっこいい。
芽衣は新しく始めたバイトに行き、両親も仕事らしく、家に一人だった英司も今からバイトに行くところだった。
「ありがと。あんまり時間ないけど、上がって」
「うんっ」
居間に通されて、英司が振り向く。
清花が目を閉じると、唇が重なった。