この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
おにいちゃん、おしえて。
第9章 初恋は実らない?
そうして、つきあって数ヶ月経ったある日。
清花は隼の家で雑誌を読んでいた。
その内容は、変わった性癖特集というもの。
隣で一緒に読んでいた隼は、友達が体験した変態行為を引き合いに出した。
その行為が……女の子に尿をさせるというもので、隼は「俺たちはまともだよな」と笑っている。
「ションペンなんてありえないだろ。キモいってー」
隼の意見は、もっともかもしれない。
しかしその時の「キモい」は、清花の心のどこかで引っかかり続けた。
ささいな雑談での話だ。
英司について否定されたわけでもないし、もっとも、英司の性の趣味など隼は知っているわけもない。
私が、おにいちゃんにした行為も、何も知らない。
――でも……キモくなんかない……。
他人が、他人の趣味を、簡単に否定するのは、違うと思う。
何も知らないのに、そういうふうに人を貶めて笑うのは、違うと思う……。
清花は、反論が喉まで出かかったが、言っても伝わらない気がして、口をつぐんだ。
キモくなんてない。
そんな言葉、簡単に使う方が、おかしいよ……。
それからしばらくして、清花と隼は別れた。
あの発言が直接的な原因ではないが、ずっと心にあったのは確かだ。
そして、隼をずっと処女として騙し切った自分自身も、ろくでもない人間だと嫌悪した。
そして、何より。
清花の心にいるのは、隼ではなかった。
清花は隼の家で雑誌を読んでいた。
その内容は、変わった性癖特集というもの。
隣で一緒に読んでいた隼は、友達が体験した変態行為を引き合いに出した。
その行為が……女の子に尿をさせるというもので、隼は「俺たちはまともだよな」と笑っている。
「ションペンなんてありえないだろ。キモいってー」
隼の意見は、もっともかもしれない。
しかしその時の「キモい」は、清花の心のどこかで引っかかり続けた。
ささいな雑談での話だ。
英司について否定されたわけでもないし、もっとも、英司の性の趣味など隼は知っているわけもない。
私が、おにいちゃんにした行為も、何も知らない。
――でも……キモくなんかない……。
他人が、他人の趣味を、簡単に否定するのは、違うと思う。
何も知らないのに、そういうふうに人を貶めて笑うのは、違うと思う……。
清花は、反論が喉まで出かかったが、言っても伝わらない気がして、口をつぐんだ。
キモくなんてない。
そんな言葉、簡単に使う方が、おかしいよ……。
それからしばらくして、清花と隼は別れた。
あの発言が直接的な原因ではないが、ずっと心にあったのは確かだ。
そして、隼をずっと処女として騙し切った自分自身も、ろくでもない人間だと嫌悪した。
そして、何より。
清花の心にいるのは、隼ではなかった。