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おにいちゃん、おしえて。
第10章 おにいちゃんと、いっしょ。

「僕からすると、君も子供だが……君以上に、清花はまだ、子供なんだよ。中学生でも早熟な子はいくらでもいるだろう。でも、清花は違う。そんな子を……あまりにひどいじゃないか……」
清花の父の目が、涙で光っている。
大人の男が泣く姿を見たのは初めてで、英司はその場に立ち竦み、拳を握りしめた。
英司だって清花に対して、中途半端な気持ちだったわけではない。
18歳なりに、清花を大事に思っている。
しかし、父親の絶対的な愛情に並ぶほどのものかと問われたら。
自分で稼いでもいない高校生が、張り合えはしない、と英司は思った。
それに……まだ中学生になったばかりの女の子に対して、行きすぎた行動もあったかもしれない。
後ろ暗さがなかったと言えば、それは嘘だ。
18歳の前で、耐えきれずむせび泣く40代の男に、英司は嘘はつけなかった。
清花の父の目が、涙で光っている。
大人の男が泣く姿を見たのは初めてで、英司はその場に立ち竦み、拳を握りしめた。
英司だって清花に対して、中途半端な気持ちだったわけではない。
18歳なりに、清花を大事に思っている。
しかし、父親の絶対的な愛情に並ぶほどのものかと問われたら。
自分で稼いでもいない高校生が、張り合えはしない、と英司は思った。
それに……まだ中学生になったばかりの女の子に対して、行きすぎた行動もあったかもしれない。
後ろ暗さがなかったと言えば、それは嘘だ。
18歳の前で、耐えきれずむせび泣く40代の男に、英司は嘘はつけなかった。

