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青ノ毒
第8章 見えない傷
「可能性は低い。だが、翔子は、子供を望んでる。」
「パパは、もう…」

ギュッ…

「違う。俺は、お前が好きだし、愛してる。だが、今回だけ、我慢してくれないか?」

パパに抱き締められると、何故か安心出来る。

「うん。わかった。」
「春休みになったら、ふたりで旅行しような。あっ、風呂!」
「入る!!」

慌てて階段をかけ下りた。

「子供だな。俺もか!」

翌朝、私は、ふたりを見送って、ひとりさみしーくパパの会社へ。

パチッ…

ガランッとした事務室は、寒く見える。エアコンをつけて、温かくなるのをのんびり待ってた。

ピポポポッ…ピポポポッ…

「おはようございます。豊浜運輸の加納ですが…。もしもし?もしもし?」

カチャッ…

「間違い電話かな?にしても、謝らないなんて!親の顔が見てみたいわ!」
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