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第5章 ヒミツ

「え…。あ…。じゃあどうぞ…。」

すばるは予想外の答えに驚きを表しながら先生を家へ招き入れた。

「おじゃまします。」

「私、着替えてくるので。先生はリビングでお待ちください。」

そう言って私は玄関から進んですぐにあるリビングのドアを開けた。


先生がリビングに入るのをみてから、急いで着替えの置いてある脱衣所へ向かった。

「夢…？じゃないよね…。」

そうブツブツと独り言を言いながら下着とルームウェアを身に纏う。

急いでリビングへ向かうと、先生はダイニングテーブルに腰掛けていた。
恐らく学校の帰りにそのまま来てくれたのだろう。
先生はさっきまで閉めていた第一ボタンを開け、ネクタイを緩めていた。


「お待たせしました…。コーヒーと紅茶、どちらがいいですか？」

「ん、紅茶で。」

「はい、わかりました。」

夢のような出来事に胸をドキドキさせながらすばるはティーポットへお湯を注ぐ。

(な、何話せばいいんだろう…。)

緊張から口を開けずにいる私を見て気を使ってくれたのか、先生から話を始めてくれた。

「ドラマ…好きなの？」

先生はダイニングテーブルの奥にある、一時停止されたままのテレビ画面を見ていた。

「はい。いつも学校から帰ってからはドラマを見ているんです。」

「そうなんだ。俺も見てるよ。この月9、面白いよね。」

「え、そうなんですか？意外です。先生、あまり恋愛ドラマとか見なさそう。」

私はいつの間にか緊張が解け、笑みをこぼしながら先生と話していた。

ティーソーサーにスティックシュガーとコーヒーフレッシュ、レモンリキッドを添えて先生の前に置いた。

「熱いので気をつけてください。」

「ありがとう。」

先生はそう言ってコーヒーフレッシュを紅茶に入れてかき混ぜた。

私はクッキーを出すためにダイニングキッチンへ戻る。