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甘蜜トラップ
第3章 感情と強制
ーー瑞樹が私を求めるなら、もうそれでいいじゃないって思っている自分がいることに少なからずショックは受けた。普通の友達だとか清い付き合いだとかそんな言葉を吐いた口で全部抹消するかのように喘ぐんだから馬鹿にも程がある。
「……っ、瑞樹、みず、」
「なに、お前最近ヤってねえの、ッ」
瑞樹がよくやる執拗な愛撫は軽めで、あっという間に私のナカに入った。濡れ具合があまり良くなかったからか少しだけ痛みを伴ったけれど、それよりも瑞樹と触れ合えることが嬉しかった。
単純に。
寂しさを埋めようしている。
また埃っぽい裏階段でこんなことをしていると柳瀬が知ったらどう思うだろう。心配してくれるだろうか。もう呆れて私なんかに構ってはくれないんじゃないか。それはそれで嫌だと思ってしまうんだから我儘な話だ。
パチュ、と水気を孕んだ音が耳の奥を刺激する。結局快楽という逃げ道を選んで頭で考えない私は、これでいいやって思っちゃう。
「ん、っ、んっ」
初めは抱き抱えられるようにして繋がっていたものの、少ししたらいつも通り後ろから腰を支えて私を逃げられないようにする瑞樹は、これでもかと打ち付けてくる。私は壁に手をついて子鹿のようにガクガクと震える脚が崩れ落ちないように必死に堪えていた。
「あー、やべ」
「んッ?」
「ゴムしてねーや」
「い、いっ」
「ッ、締めつけんな」
「分かんな、っあ」
ナカで急に存在感を増す瑞樹は独り言のように「気持ちいい」と吐き捨て、腰を支えていたてのひらを前に滑らせてきた。
ピン、と弾くように触れられた胸の先端は自分の手で触らなくても腫れているのが分かった。
「超、勃ってる」
「言わな、いで」
「かわい」
「ーーっ、ひ」
相も変わらずリズム良く腰を打ち付けながら、私の首筋にキスを落とし、うなじをざらりとした舌で舐め上げられた。
「ッく、」
「瑞樹待っ、早っ、したらイっちゃーーっ」
ナカをガンガンと抉るように刺激され、そのリズムは勢いを増す。終わりが来るのを悟りながらその快楽に身体を預けた。
「やべ……ッ出る」
お互いの脈打つ感覚と絞り出そうとする本能のような痙攣と、そこからずるりと抜けていった瑞樹は私のすぐ横の壁に白濁を吐き出した。