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甘蜜トラップ
第4章 惰性と欲求




セックスは好きじゃない。
じゃあ私はいったいなんのために、なにを満たすために快楽に嵌っていたのだろう。そんな摩訶不思議なことを考えた。だって全然、気持ちよくない。


「っ、い」

「善くなるから」

「ッ」


女の身体に慣れていない。優しさもない。誰かを土台にしたかったってことだ。そりゃあそうだろうね都合が良かったんだろうね、マネキン相手に突っ込むことは出来ないもんね。


腹が立つと次は虚しさがやってきて、そうすると心臓の奥を抉るような痛みがやってくる。

瑞樹とやっていたみたいにやろうとしているのか分からないけれど、このクソ男は私の身体を弄ぶ。


「気持ちいーよ、橘さッ……っ」


写真を一枚一枚消去するために放課後の理科準備室で私はこんな奴を受け入れなければならない。無知で、そのくせ我が強くて貪欲。

もう3日だ。下手くそに付き合って3日。


理科準備室の机に手をつかせて、後ろから私を突き上げる。前戯はないに等しい。だから痛い。こんなに何度も経験してるのになんでこんなに痛い? ってくらい痛い。

最初の日、私の反応を見て彼は「処女じゃないよね?」って聞いてきた。相当入りにくかったみたいだけど、ちゃっかり自分だけイくんだから気に食わない。私はイけずに終わったりする。


「橘さんも、気持ち、い?」

「んっ、んん」


腰を打ち付ける彼は私の口の中に指を突っ込んで口内を弄る。苦しさと気持ち悪さで喘いだ。

生でやろうとするから「あんた責任取れんの?」と脅してやればゴムは常備するようになった。私だってこんな奴のために薬でどうにかしてやろうなんて思わない。


「っぁ、ぁ、イく、イくッ」


勝手に絶頂を迎えそうな彼になんとなく私も便乗して声を漏らして、きゅっとナカを締めてやった。


「あぁあ〜〜っ!」


イくときにこんなにうるさい男もいるんだなってここ最近初めて知った。疲れる。本当に疲れる。結局私は今日もイってない。もともとナカだけではイけない体質なのに本当に酷い。


「はあっ、はあっ」

「体力ないね」

「明日は騎乗位でしようね」

「……」


頭が痛い。
帰りたい。


「逆らったら浅木君は今後学校にいられなくなるだろうね。前の学校も退学だったのに酷いね?」








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