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痴漢脳小説2 ~ガールズバンドに男子の僕が入っちゃいました~
第5章 第5章 超巨乳少女現る!
「それからも電車に乗ると痴漢されたり、人ごみの中ですれ違う時に触られたり」

 ハルナさんは必死に自分の体験を僕に話す。

 少女だったハルナさんはそれから自分の大きな胸が嫌いになり、少しでも隠そうと体型の分かりづらい服を選ぶようになり、プールにも行けなくなった。
 中学校になると制服のブラウスやブレザーが胸のせいで着られず、仕方なくひとつ大きなサイズのものを着る。体育の授業ではただ走るだけでも胸が大きく揺れる。

 それを男子にからかわれる。

 ハルナさんは身も心もますます縮こまって、そのまま今日まで生きてきた。
 そして不意に訪れた水着の撮影。

 メンバーの気持ちを裏切れず、かと言って素直に水着にもなれず、切羽詰まって僕のところに来たんだ。

「男の人に触られるのは気持ち悪いし、だから水着とはいえ胸を男の人に見られるのもイヤだし…
 私、どうしたらいいですか?」

 涙を流しながらハルナさんは僕に助けを求める。

 しかし僕は別の意味で衝撃を受けていた。

 ハルナさんの告白。それは僕が生まれて初めて聞く「痴漢をされた側」の言葉だった。

 今まで僕は痴漢の相手のことなんか考えたことはなかった。相手のこともよく知らないし、だから相手に感情があるのだということも思い付きもしなかった。

 いや、違う。嫌がっているのは分かっていた。でもそれすらも面白がっていた。
 そしてハルナさんの言葉を聞いて痴漢をされた時の嫌悪というのが僕が思っていた以上のものだったと初めて知った。

 僕はようやく、痴漢をされた人の気持ちを考えられるようになった。

 でも、だからと言って僕に何がしてあげられるだろう?
 今のハルナさんの話で僕に関係がありそうな話は「痴漢」という部分のみ。

 まさか「痴漢をする男の気持ち」なんかを話すわけにはいかない。
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