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痴漢脳小説2 ~ガールズバンドに男子の僕が入っちゃいました~
第6章 『仲間』
思ったよりも外は寒くなかった。少なくとも震えるほどじゃない。温かい布団から出た直後は寒かったけど、慣れれば耐えられるくらいの寒さだ。
車は事務所から借りた軽のワゴンだ。『パンツァーカイル』がストリートライブに向かう時に使っている車で、もうバンドの専用車のようになっている。今日は新しく買った洗濯機を運ぶのにも使った。
後部座席に入り背もたれを倒す。少し窮屈だけど何とか寝そべることは出来そうだ。
駐車場はアパートの裏側。頼りない灯りが照らすだけの、こんな深夜には全く誰も寄り付かない静かな場所だ。
まあそれでも眠れるような場所じゃないけど。とりあえずは少しは落ち着けそうだ。
と思っているとコンコン、と窓を叩く音。聞き覚えのあるノックの音に顔を上げるとそこにいたのはイズミさん。何だがちょっとデジャブ。
「眠れなかった?」
ドアを開けて車に入ってくるなり静かな声でイズミさんは言う。人通りのない渋谷の片隅の駐車場に似合う控えめな声。
「まあ…はい、ちょっと」
うん、と頷いて後部座席に寝転ぶ僕の横にころん、と寝転がった。
狭い車内で自然と体がくっつく。すぐ横に感じる温かさにまた股間がむくむくと起き上がってくる。
「イズミさん…?」
「ごめんね」
「え…はい?」
「勝手に基地なんて言っちゃって」
ああ、と僕は頷く。
「いいんですよ」
真横に寝るイズミさんの顔は見えないけどこちらに顔を向ける気配。
「今までこんなのなかったですから。僕、友達少ないんで。お祝いとか泊りに来るとかって今までなかったんで、ちょっと嬉しくはあります」
「そう…」
社交性の低い僕には友達がいない。高校時代の同級生と時折連絡を取って遊ぶことがある程度だ。趣味もないからそれを通じた知り合いもいない。
だから、今日のような時間は僕にとってとても新鮮で楽しいものだった。
車は事務所から借りた軽のワゴンだ。『パンツァーカイル』がストリートライブに向かう時に使っている車で、もうバンドの専用車のようになっている。今日は新しく買った洗濯機を運ぶのにも使った。
後部座席に入り背もたれを倒す。少し窮屈だけど何とか寝そべることは出来そうだ。
駐車場はアパートの裏側。頼りない灯りが照らすだけの、こんな深夜には全く誰も寄り付かない静かな場所だ。
まあそれでも眠れるような場所じゃないけど。とりあえずは少しは落ち着けそうだ。
と思っているとコンコン、と窓を叩く音。聞き覚えのあるノックの音に顔を上げるとそこにいたのはイズミさん。何だがちょっとデジャブ。
「眠れなかった?」
ドアを開けて車に入ってくるなり静かな声でイズミさんは言う。人通りのない渋谷の片隅の駐車場に似合う控えめな声。
「まあ…はい、ちょっと」
うん、と頷いて後部座席に寝転ぶ僕の横にころん、と寝転がった。
狭い車内で自然と体がくっつく。すぐ横に感じる温かさにまた股間がむくむくと起き上がってくる。
「イズミさん…?」
「ごめんね」
「え…はい?」
「勝手に基地なんて言っちゃって」
ああ、と僕は頷く。
「いいんですよ」
真横に寝るイズミさんの顔は見えないけどこちらに顔を向ける気配。
「今までこんなのなかったですから。僕、友達少ないんで。お祝いとか泊りに来るとかって今までなかったんで、ちょっと嬉しくはあります」
「そう…」
社交性の低い僕には友達がいない。高校時代の同級生と時折連絡を取って遊ぶことがある程度だ。趣味もないからそれを通じた知り合いもいない。
だから、今日のような時間は僕にとってとても新鮮で楽しいものだった。