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痴漢脳小説2 ~ガールズバンドに男子の僕が入っちゃいました~
第7章 過去から来た少女
 パソコンから再生され得た曲を聞き終わってシーカさんは難しい顔、ハルナさんは顔が真っ赤。イズミさんは表情は変わらないけど「思い切ったことを」とでも言いたげな空気を発している。
 
 そしてカエさんはちょっと目を潤ませて目元を赤く染めている。

 メンバーに聞いてもらったのは僕が作詞作曲した、僕が初めて作った曲。タイトルは『絶対性感』という。

 イントロを中心にところどころ悩まし気な女性の声がサンプリングされている。

 その声とは埼玉県内でガールズバンド『にゃあにゃあ』と2バンドライブをした夜に泊った民宿で密かに録音したもの。
 宿のおばちゃんの勘違いで僕の同室になってしまったカエさんが夜中にこっそりしていたオナニーの時の声。

 僕はその声を今後のおかずにするためにこっそりとスマホで録音していた。同じ部屋でオナニーをしている女性がいてもそれをもとに襲うことも口説くことも出来ない僕の精一杯の行動だった。

 そしてその後の「CD千枚手売り企画」の苦戦。バンドに同行していたせいか僕に微かに芽生えた音楽への興味。イズミさんにもらった多機能のデジタルピアノに一人暮らしで自由に使える時間。

 それらすべてが合わさって僕はカエさんの喘ぎ声を元に『パンツァーカイル』のために新しい曲を作ってみた、というわけ。ほとんど毎晩作業をして完成まで一カ月以上も時間がかかってしまったのは、それが慣れない作業だったから。

 歌詞はセクシーな、セックスを連想させるような歌詞。曲は僕の能力の限界もあって複雑な構成には出来なかったけど逆にその分メンバーの技術がより伝わりやすいはず。

 カエさんの喘ぎ声を使うアイディアといい、今の僕の『痴漢脳』から生まれた最高傑作だ。

 何やらここのところずっと『痴漢脳』が活発に動いている気がするのは何でだろう?
 その『痴漢脳』も上手く作業に集中してくれたおかげで曲を作り上げることが出来たわけだけど。

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