この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
痴漢脳小説2 ~ガールズバンドに男子の僕が入っちゃいました~
第1章 『パンツァーカイル』
「お疲れさまでした」

 今日は小さなライブハウスへ出演。共演したのはうちを入れて四組。持ち時間をいっぱいに使って五曲を歌った。うち三曲はCDに入っている曲だ。

 四月から始まった「CD手売り企画」も六月の半ばまで来た。
 二か月半、バンドに同行して思ったのはひいき目ではなく、このバンドはレベルが高い、ということ。見た目も、もちろん音楽も。

 それでもインディーズからメジャーに活躍の場を移せないのはなぜか。そこらへんが今後の課題になってくるだろう。

 今日までの「CDの売り上げはおよそ百五十枚。

「今日は何枚売れたの?」

 五曲を前科甥で歌い切ってエネルギー切れのシーカさんはいつもライブの後はテンションが低い。元々気の強い人が苦手な僕にさらに「不機嫌」のおまけを付けたシーカさんがウーロン茶をグビグビと飲みながら聞いてきた。

「えっと、あの…」
「何枚?」
「三枚、です」

 ぶいーん。古いエアコンが咳き込みながらも頑張ってお仕事をしている、その音だけがほんの数秒響いた。

 …僕にとっては何時間にも感じられる、胃の痛くなるような数秒。

「三枚?」

 シーカさんが問い返す。

「三枚、ですか…」

 ちょっと悲しそうな声はハルナさん。

「…少ないわね」

 切ない吐息も色っぽいのはカエさん。

「……」

 イズミさんは黙って楽器を片付けている。

「さんまいです…」

 僕の声は「情けない声」の見本みたいな声で部屋を漂い、メンバーの誰の耳にも入らなかった。
/226ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ