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痴漢脳小説2 ~ガールズバンドに男子の僕が入っちゃいました~
第3章 夜の部屋に響くあの声
 埼玉県某所でのライブハウスでの2バンドライブ。我らが『パンツァーカイル』のベーシスト、カエさんの友人がヴォーカルを務めるバンド『にゃあにゃあ』という、これまた女子メンバーだけで構成されたバンドのホームグラウンドに招待してもらった。

 バンド歴も人気も『にゃあにゃあ』のほうがずっと上。でもパフォーマンスなら『パンツァーカイル』だって負けていない。

 『パンツァーカイル』のテーマソングで1stシングル『P1』の旗艦曲でもある『Let’s you go! Chase me go!』を力強くヴォーカルのシーカさんが歌っている。
 バンド名の由来は戦車部隊の楔形突撃陣形。その名の通り、シーカさん率いる四人の女子は強気でストレートなパフォーマンスで客席を盛り上げている。

 シーカさんのヴォーカルは真っ直ぐに客席を駆け抜け、観客を直撃して熱狂させる。
 謎の豹変少女、ギターのハルナさんは今日もギターを相棒に激しく音を掻き立て客の心を湧き上がらせる。
 イズミさんは最後方から最高峰の安心と安定をバンドにもたらし、音の根元を支えている。
 今日はキーボードに女性のサポートメンバーが入り、音の厚みもいい。

 そして今日、一際僕の目を引いたのはベーシストのカエさん。
 いつものようにセクシーに楽器を奏でている。音に酔い、音に感じているように身震いをし、その震えが観客の心をも震え上がらせる。汗の浮かぶ顔には恍惚の表情を浮かばせ、ベースの重低音を怪しくも艶やかなピンクに染め上げる。カエさんが持つとベースですら何か別の生き物に見えてきそうだ。

 今日はもう一組もガールズバンドのせいか客席には男性が多い。その歓声にいちばんノったのがカエさんだった。
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