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痴漢脳小説2 ~ガールズバンドに男子の僕が入っちゃいました~
第3章 夜の部屋に響くあの声
夢を見た。高校時代の痴漢の夢。久しぶりにあの夢を見た。
あの子が電車に乗らなくなってからそれっきり会えなかったけど、僕はそれ以降も痴漢を続けた。
会えなくなってしばらくはあの子の姿を探したりもしたけど、毎日の痴漢が上手くいくにつれて、その子のことを思い出すこともなくなっていった。
それにしても、あの頃の夢を見る穂は本当に久しぶりだった。
「ん…」
暗い部屋に僕以外の誰かの声。ちょっと色っぽい寝息。部屋に漂う僕のではない誰かの匂い。
瞬間的に僕は覚醒した。そうだ、今日はカエさんと同じ部屋でお泊りしてるんだった…!
民宿のおばちゃんの勘違いで「ヨシヒデさん」と思われたカエさんは僕と同じ部屋をあてがわれた。他の女子メンバー三人は同じ部屋で、僕とカエさんが同じ部屋。
宿は満室。部屋は狭くて四人が寝るのはかなりつらい。くわえて昼間のストリートライブに夜のライブハウス。疲れ切った体はのびのびと布団に寝ころびたがっていて、誰かと同じ布団の中で寝るのを嫌がっている。
そういうわけで、僕はカエさんと同じ部屋で寝ることになった。
部屋の壁際に僕の布団を敷いて真ん中にちゃぶ台を置いて、反対側にカエさんの寝る布団。
部屋の中に男一人では決してありえないほどのいい匂いが充満している。カエさんの匂いだ。
この少し甘くちょっとセクシーな匂いが、あの夢を見させたのかもしれない。
「何かあったら大声出すか壁を叩いてあたし達を呼んでね」
シーカさんはそんなことを言ってたけど、僕もみんなも疲れ切っていて、食事をしてお風呂に入ったらもう眠くて眠くて仕方なくなった。
何かあったら、とシーカさんは言うけど、何をするまでもなく僕は眠りに落ちてしまった。
美人さんと同じ部屋で寝ているのに、こんなにすぐに寝落ちしてしまうなんて!
何も出来ないまでも寝顔を眺めるとか寝息を聞くとかあるじゃないか。それでも『痴漢脳』をたったひとつの自慢にしている男か!?
そんなおかしなプライドに目を覚まされ、僕は布団の中からカエさんの様子をうかがう。
あの子が電車に乗らなくなってからそれっきり会えなかったけど、僕はそれ以降も痴漢を続けた。
会えなくなってしばらくはあの子の姿を探したりもしたけど、毎日の痴漢が上手くいくにつれて、その子のことを思い出すこともなくなっていった。
それにしても、あの頃の夢を見る穂は本当に久しぶりだった。
「ん…」
暗い部屋に僕以外の誰かの声。ちょっと色っぽい寝息。部屋に漂う僕のではない誰かの匂い。
瞬間的に僕は覚醒した。そうだ、今日はカエさんと同じ部屋でお泊りしてるんだった…!
民宿のおばちゃんの勘違いで「ヨシヒデさん」と思われたカエさんは僕と同じ部屋をあてがわれた。他の女子メンバー三人は同じ部屋で、僕とカエさんが同じ部屋。
宿は満室。部屋は狭くて四人が寝るのはかなりつらい。くわえて昼間のストリートライブに夜のライブハウス。疲れ切った体はのびのびと布団に寝ころびたがっていて、誰かと同じ布団の中で寝るのを嫌がっている。
そういうわけで、僕はカエさんと同じ部屋で寝ることになった。
部屋の壁際に僕の布団を敷いて真ん中にちゃぶ台を置いて、反対側にカエさんの寝る布団。
部屋の中に男一人では決してありえないほどのいい匂いが充満している。カエさんの匂いだ。
この少し甘くちょっとセクシーな匂いが、あの夢を見させたのかもしれない。
「何かあったら大声出すか壁を叩いてあたし達を呼んでね」
シーカさんはそんなことを言ってたけど、僕もみんなも疲れ切っていて、食事をしてお風呂に入ったらもう眠くて眠くて仕方なくなった。
何かあったら、とシーカさんは言うけど、何をするまでもなく僕は眠りに落ちてしまった。
美人さんと同じ部屋で寝ているのに、こんなにすぐに寝落ちしてしまうなんて!
何も出来ないまでも寝顔を眺めるとか寝息を聞くとかあるじゃないか。それでも『痴漢脳』をたったひとつの自慢にしている男か!?
そんなおかしなプライドに目を覚まされ、僕は布団の中からカエさんの様子をうかがう。