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痴漢脳小説2 ~ガールズバンドに男子の僕が入っちゃいました~
第1章 『パンツァーカイル』
「でもチャンスと言えばチャンスなのよね」
怖い顔のシーカさんとは対照的に落ち着いた声のカエさん。
ハルナさんは小動物みたいにキョロキョロと他のメンバーを見回してるし、イズミさんは機嫌が悪いのか一言も発しない。
「それにほら、CDを千枚も作る費用も事務所が持ってくれるそうだし。最後のライブの費用だって出してくれるってなってるし」
「まあ、ね…活動二年目のあたし達にこれだけのことをしてくれるんだしね…」
そこはシーカさんも不承不承ながらも頷く。
…
……
ああ、ごめんなさいっ! 僕、本当のことを知ってるんです。
CD千枚の費用もライブの費用もだすというのも、年度末にお金を残したくない事務所の税金対策なんです。そんな理由ではじまった企画なんです。
社長こと僕の叔父さんは節約家で独立した事務所を構えているのも入ってきたお金がまるまる会社の利益になるから。会社に所属していると自由に動かせるお金も限られるし、畑らしても働いて会社から決まった分の給料しかもらえない。
それが嫌で独立したんだ。
僕の叔父さんって、そんな人。
「まあ、確かにチャンスと言えばチャンスよね。イズミさん、どう思う?」
シーカさんがメロンソーダを啜りながらイズミさんに話を向ける。
「私は、やってもいいと思う。みんなが反対ではないのなら」
そのイズミさんの言葉にすうっとメンバーの意思がひとつに固まっていく気配を感じて、伊達にリーダーをやってるわけではないんだな、と僕に思わせた。
「じゃあ、えっと…簗瀬君」
「あ、はい」
「返事が頼りないなぁ」
「…すいません」
僕は幾分ムスっとして答えた。いくらお人好しで大人しい僕だってそんなふうに言われれば気分も悪くなる。
「死ぬほど働いてもらうから。よろしくね」
シーカさんのその言葉がこの企画のはじまりだった。
高校を卒業したばかりの僕と結成二年目の『パンツァーカイル』
物語はここからはじまる。
怖い顔のシーカさんとは対照的に落ち着いた声のカエさん。
ハルナさんは小動物みたいにキョロキョロと他のメンバーを見回してるし、イズミさんは機嫌が悪いのか一言も発しない。
「それにほら、CDを千枚も作る費用も事務所が持ってくれるそうだし。最後のライブの費用だって出してくれるってなってるし」
「まあ、ね…活動二年目のあたし達にこれだけのことをしてくれるんだしね…」
そこはシーカさんも不承不承ながらも頷く。
…
……
ああ、ごめんなさいっ! 僕、本当のことを知ってるんです。
CD千枚の費用もライブの費用もだすというのも、年度末にお金を残したくない事務所の税金対策なんです。そんな理由ではじまった企画なんです。
社長こと僕の叔父さんは節約家で独立した事務所を構えているのも入ってきたお金がまるまる会社の利益になるから。会社に所属していると自由に動かせるお金も限られるし、畑らしても働いて会社から決まった分の給料しかもらえない。
それが嫌で独立したんだ。
僕の叔父さんって、そんな人。
「まあ、確かにチャンスと言えばチャンスよね。イズミさん、どう思う?」
シーカさんがメロンソーダを啜りながらイズミさんに話を向ける。
「私は、やってもいいと思う。みんなが反対ではないのなら」
そのイズミさんの言葉にすうっとメンバーの意思がひとつに固まっていく気配を感じて、伊達にリーダーをやってるわけではないんだな、と僕に思わせた。
「じゃあ、えっと…簗瀬君」
「あ、はい」
「返事が頼りないなぁ」
「…すいません」
僕は幾分ムスっとして答えた。いくらお人好しで大人しい僕だってそんなふうに言われれば気分も悪くなる。
「死ぬほど働いてもらうから。よろしくね」
シーカさんのその言葉がこの企画のはじまりだった。
高校を卒業したばかりの僕と結成二年目の『パンツァーカイル』
物語はここからはじまる。