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蝶が舞う時
第7章 発端
今朝の朝食からも菜採が作ることになった。
昨日買ったクロワッサンにベーコンとスクランブルエッグ、グリーンサラダとカップスープ。
「いいね、美味しそうだ!」
「おじさん、朝食はこんな感じでいい?」
「完璧、いや…菜採は凄い。ホテルの朝食みたいだよ。」
「これでも余りお金かかってないよ。食材を買うときに複数のメニューに使う事を考えるから。」
「菜採はいつでもお嫁さんになれる。」
「おじさんの…」
菜採は途中で言うのを止めた。
「どうした?」
「ううん、おじさんが喜んでくれたらと思って…」
「心配ないよ。おじさんは充分嬉しいから」
「おじさん、食べよぅ…」
「じゃ、頂きます。」
菜採の言い掛けたことは俺には判る。
菜採は俺と結婚する事を考えている。
(菜採、それは無理だ。)
「おじさん、今日は何か予定がある?」
「ああ、今日はおじさん会社に行かないと。」
「おじさん、お仕事してたの?」
「そう、但し非常勤、パートみたいなもの。」
「月に何回か会社の会議に出て助言する事だけ…」
「へぇーおじさん、偉い人だったんだ…」
「今日はその会議の日」
俺は朝食を済ませると、ワイシャツにネクタイ、スラックスにジャケットの会社員に着替えた。
菜摘が片付けしているキッチンに戻り、
「じぁ、行ってくる。昼過ぎには帰って来るけど、菜摘は部屋でのんびり過ごしてもいいし、出掛けても構わない。」
「おじさん、じぁ菜摘は部屋の掃除とお洗濯するね。」
「それと菜摘の財布持ってきて。」
菜摘は怪訝な顔して財布を取りにいく。
持ってきた財布に俺は2万円を入れ、
「何か必要な物があったらこれを使いなさい。」
「おじさん、お金は別に必要ないよ。」
「何があるか判らないから…とりあえず入れとくね。」
「じゃあ、行ってくる。」
俺は車に乗り込むとエンジンを始動し駐車場を出た。
俺が仕事をしていないことは、菜摘は知らない。
菜摘との同棲が始まり、独りでいることが全く出来なくなった。
そこで非常勤の会社員を騙ることで、孤独になれる時間が出来る。
離婚後、今まで独りで生活をしてたので、菜摘との同棲にはまだ順応出来ていない。
俺にとってこの時間は不可欠なもの…
但し、今日は別件で独りになった。
ある人物に会うために…
昨日買ったクロワッサンにベーコンとスクランブルエッグ、グリーンサラダとカップスープ。
「いいね、美味しそうだ!」
「おじさん、朝食はこんな感じでいい?」
「完璧、いや…菜採は凄い。ホテルの朝食みたいだよ。」
「これでも余りお金かかってないよ。食材を買うときに複数のメニューに使う事を考えるから。」
「菜採はいつでもお嫁さんになれる。」
「おじさんの…」
菜採は途中で言うのを止めた。
「どうした?」
「ううん、おじさんが喜んでくれたらと思って…」
「心配ないよ。おじさんは充分嬉しいから」
「おじさん、食べよぅ…」
「じゃ、頂きます。」
菜採の言い掛けたことは俺には判る。
菜採は俺と結婚する事を考えている。
(菜採、それは無理だ。)
「おじさん、今日は何か予定がある?」
「ああ、今日はおじさん会社に行かないと。」
「おじさん、お仕事してたの?」
「そう、但し非常勤、パートみたいなもの。」
「月に何回か会社の会議に出て助言する事だけ…」
「へぇーおじさん、偉い人だったんだ…」
「今日はその会議の日」
俺は朝食を済ませると、ワイシャツにネクタイ、スラックスにジャケットの会社員に着替えた。
菜摘が片付けしているキッチンに戻り、
「じぁ、行ってくる。昼過ぎには帰って来るけど、菜摘は部屋でのんびり過ごしてもいいし、出掛けても構わない。」
「おじさん、じぁ菜摘は部屋の掃除とお洗濯するね。」
「それと菜摘の財布持ってきて。」
菜摘は怪訝な顔して財布を取りにいく。
持ってきた財布に俺は2万円を入れ、
「何か必要な物があったらこれを使いなさい。」
「おじさん、お金は別に必要ないよ。」
「何があるか判らないから…とりあえず入れとくね。」
「じゃあ、行ってくる。」
俺は車に乗り込むとエンジンを始動し駐車場を出た。
俺が仕事をしていないことは、菜摘は知らない。
菜摘との同棲が始まり、独りでいることが全く出来なくなった。
そこで非常勤の会社員を騙ることで、孤独になれる時間が出来る。
離婚後、今まで独りで生活をしてたので、菜摘との同棲にはまだ順応出来ていない。
俺にとってこの時間は不可欠なもの…
但し、今日は別件で独りになった。
ある人物に会うために…