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蝶が舞う時
第11章 獣欲
家具屋ではあと寝室に置くソファーと新しい枕を3つ、それに菜摘と美咲が選んだ寝室に置く小物数点を買い求めた。

時間は既に12時を過ぎ、美咲が

「おじさん、ピザを食べたい。」

と言い出した。

俺も菜摘も異論はなく、ロードサイドのピザレストランに入った。

4種のミックスピザとマルゲリータを注文し、俺は喫煙所に向かう。

煙草を吸いながら、今後の美咲の処遇を考える。

当初は成り行きで俺の処に来たが、今や家族の一員になりつつある。

美咲は菜摘と状況が異なり、美咲には帰る場所がある。

最終的には美咲が選択することだが…


俺がテーブルに戻ると、ピザは既にきていた。

「おじさん、遅いよ~」

菜摘はフォークと取り皿を俺に渡し、ピザをカットし始めた。




帰りに夕食の食材を買い求めてからマンションに戻った。

夕方になると家具屋からベッドとソファーが配達され、古いベッドは廃棄処理を依頼する。

菜摘と美咲は、寝室を買い求めた小物で飾り付け、新たな寝室を作りあげた。

「おじさん、どう?」

菜摘と美咲は俺の手を引いて寝室に入った。

殺風景だった寝室が、少しばかり華やかになっていた。

「いいね、大したものだ。」

「良かった。おじさんが気に入ってくれて!」

すると美咲が

「これだけベッドが広いと、おじさん両手に花ね!」

「そうだ。おじさんは今晩が楽しみだ。」

「もう…おじさん、ほんと変態!」

菜摘が笑いながら突っ込む。



晩御飯のメニューは和食。

鮭の塩焼き、茄子の煮浸し、だし巻き玉子、漬物にお吸い物。

菜摘の料理の腕前は、家庭の主婦に勝るとも劣らない。

食べ始めてから、美咲の様子が気になった。

「美咲、どうした?」

「お姉ちゃんに比べ私は何も出来ない…」

「別に気にしなくていい。誰もそんなこと思わない。」

「そうよ.それに美咲ちゃんが料理を覚えたいなら、菜摘が全て教えるから。」

「本当?」

「本当よ。これから何時も一緒に作れば覚えるから。」

「うん! お姉ちゃん、お願いします。」

美咲は吹っ切れた様に食べ始めた。

僅か1歳違いの菜摘は、美咲をまるで妹のように諭す。



菜摘、それでいいんだ…











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