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蝶が舞う時
第14章 別れ
俺は美咲をベッドに引き込みそのまま倒れ込んだ。

激しい息づかいが除々に治まると美咲を右腕で抱き込んだ。

しばらくして美咲は

「おじさん、嘘ついてご免なさい。」

「もういい…済んだことだ。それよりマンションに帰ったら「病院で点滴した」と菜摘に言うんだぞ。」

「うん、わかった。」

「おじさん、私もう、おじさんの家を出る。」

俺はびっくりして美咲を見つめ、

「どうしたんだ? 何かあるのか?」

「おじさん、おじさんには菜摘がいる。私もおじさんが好きだけど菜摘には負ける。」

「おじさんにはお世話になったし、楽しかった。それにおじさん、若い子二人は体に悪い。」

俺は何も言わず美咲を抱きしめた。

「美咲、出ていって何処に行く?」

「まだ決めてない。家には帰りたくないし…」

「行き先を決めるまで、まだ居たらどうだ?」

「ううん、明日出ろうと思ってる。」

「そんなに早くか?」

「うん。」

「美咲、何かあったらまた帰って来い。おじさんと菜摘は待ってるから。」

美咲は何も言わず、すすり泣いていた。


俺は美咲とラブホを出た。

マンションに帰る途中も美咲は無口になった。

マンションのドアを開けると菜摘が出てきた。

「どうだった、美咲ちゃんは?」

「うん、先生もよく解らないらしい。とりあえず、痛み止の点滴をしたら治まったよ。」

「そうなんだ。原因が解らないのが気がかりだけど、痛みは治まったのね。」

俺と美咲はテーブルに座り、

「菜摘、美咲のことで話がある。」

「ええ…美咲ちゃんのこと?」

菜摘は怪訝な表情で椅子に座る。

「菜摘、美咲は明日ここを出るそうだ?」

「ええ…出るって美咲ちゃん何処に行くの?」

「ごめんね。お姉ちゃん、また1人暮らしを始めたいの。」

「生活はどうするの?」

「知り合いの人がバイトしないかって誘われたから。」

美咲はまた嘘をついた。

「美咲ちゃん、大変よ。おじさん、何とか美咲ちゃんを説得して。」

「おじさんも美咲に話したが、美咲の意志が堅い。」

「お姉ちゃん、大丈夫だから、心配しないで。」

菜摘が突然泣き出した。それにつられて美咲も泣き出す。

二人は抱き合ったまま泣き続けた。

俺も珍しく涙ぐんでしまった。

何時か別れが来る。

今回は美咲だった……



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