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《愛撫の先に…②》
第2章 菜々美は菜々美
―
――
とある日の駅構内でそれは起こっていた。
『先輩っ、待ってくださ―――・・・』
菜々美はスーパーの袋を両手に持ち振り向かずに先に行く先輩に追いつこうと階段を駆けあがっていく途中だった。
袋を持ちながらも指先にしっかり握っていたはずのバッグが、
夕方の帰宅前で急ぐ人々に左右に押され階下へ落ちていく。
とっさに避ける人々やつま先で端に寄せるような動作もみえた。
『あたしのバッグ!』
振り返り様に靴のヒールが斜めに滑り菜々美はバランスを崩し右側周りで後ろへと落ちていく。
『人がっ!』
条件反射のように人々はそんな風に言いながら左右に分かれ先を急いでいく。
落ちる!
まるでスローモーションかのように髪がブラウスがスカートがヒラヒラと上に舞うようだ。
『ちょっ、江崎!?』
追いついてこない菜々美にやっと気がついた先輩が向こうから叫んでいる。
先輩叫んだって手遅れですっ!
落ちる!
結城さん!結城さん!
ガサッ‥
そんな音と共に菜々美は目を閉じていたが体に感じるのは痛みよりも温もりになる。
『ビックリしたぁーっ、
いつかのお客さんだ』
えっ?
頭上から声?
階下へもうすぐという位置で彼は中腰でしゃがみ菜々美を受け止めたのだ。
『菜々美ちゃん』
彼はたまごホリックの弟の方で‥‥‥!
――
とある日の駅構内でそれは起こっていた。
『先輩っ、待ってくださ―――・・・』
菜々美はスーパーの袋を両手に持ち振り向かずに先に行く先輩に追いつこうと階段を駆けあがっていく途中だった。
袋を持ちながらも指先にしっかり握っていたはずのバッグが、
夕方の帰宅前で急ぐ人々に左右に押され階下へ落ちていく。
とっさに避ける人々やつま先で端に寄せるような動作もみえた。
『あたしのバッグ!』
振り返り様に靴のヒールが斜めに滑り菜々美はバランスを崩し右側周りで後ろへと落ちていく。
『人がっ!』
条件反射のように人々はそんな風に言いながら左右に分かれ先を急いでいく。
落ちる!
まるでスローモーションかのように髪がブラウスがスカートがヒラヒラと上に舞うようだ。
『ちょっ、江崎!?』
追いついてこない菜々美にやっと気がついた先輩が向こうから叫んでいる。
先輩叫んだって手遅れですっ!
落ちる!
結城さん!結城さん!
ガサッ‥
そんな音と共に菜々美は目を閉じていたが体に感じるのは痛みよりも温もりになる。
『ビックリしたぁーっ、
いつかのお客さんだ』
えっ?
頭上から声?
階下へもうすぐという位置で彼は中腰でしゃがみ菜々美を受け止めたのだ。
『菜々美ちゃん』
彼はたまごホリックの弟の方で‥‥‥!