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《愛撫の先に…②》
第2章 菜々美は菜々美
―
――
次の日定時あがりで会社を出た菜々美はマンションによりスイートタイムへ。
冬物の衣類を詰めたキャリーバッグ1つと紙の手提げ袋を後部座席からおろして溜め息をつく。

怒らせているかと思うとうしろめたくスイートタイムへ入りづらく、
送ってくれた陽子の車を見るとクラクションを鳴らし駐車場から出るとこだった。

『いらっしゃいませ』

フロント2人の声が揃う。
いつものように笑顔で迎えられるが従業員の表情はホッとしたように、
「おかえりなさいませ」と付けくわえられた。

隣にいる結城はキャリーバッグ等に視線をうつした後2007の鍵を出して彼女に受けとるよう促す。

『いらっしゃいませ』
エレベーターへ向かう途中結城の声が聞こえ菜々美はまたしても振り返り、
笑顔の彼に胸がいたんだ。
あたしには笑いかけてくれなかった…
ううん、結城さんは仕事中だもの…
けどそんな結城さんを見て宿泊客の女の人達が上目遣いで見ているわ…

『ねぇ、独身かしら』
『会いたかったらまた泊まりにくればいいじゃない』
女の願いそんな声を遮るかのように菜々美は部屋へと急いだ。


それから1時間後20時過ぎ部屋のドアがあいた。

『おかえり』
スーツの上着を脱ぎながら結城はソファーに座る菜々美を見て言う。

『ただいま……』
昨日の事があり菜々美はそれ以上言葉が浮かばなかった。

『シャワー浴びたんだね、それじゃ夕食は有り合わせで作る事にしよう』
先にシャワーだとネクタイを緩める結城を彼女は眺める。

何か買ってくれば良かったかしら?
とても作る気にならなかったけど今思うとスーパーに寄れば良かったかな…

菜々美は少しでも何か作りたいと冷蔵庫を見ていた時携帯が鳴った。

『仲直り出来たんでしょ?やるわね、結婚宣言〜』

『陽子仲直りなんてまだ…、結婚宣言って?』

『サイト見てないの?』

電話の後、
スイートタイムホームページにはなく予言を募集していたサイトの方にメッセージはあった。

【俺のプライベートが気になる女性も見受けられますが予言はもう募集していません。
仕事は接客であり笑顔は接客なのです。
皆さんもそして俺も落ちつく場所にいるべきではないでしょうか?
これについて批判は受け付けませんし該当する方々は行動をつつしむようお願い致します。
結城啓輔】

落ちつく場所=結婚宣言?
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