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《愛撫の先に…②》
第2章 菜々美は菜々美
『結城さんはあたしの彼だわ…冬物の事は成り行きで…』
『だいぶ冷えてきて確かにもう1枚欲しくなりましたが…成り行きねぇ、
冬物に成り行きですか?マンションに帰ったのは違う理由ですね』

『………』

見抜かれている?
翔子さんに嫉妬してスイートタイムに帰りたくない理由を、とっさに冬物を取りになんて言い訳をした事を結城さんは気がついていたの?

ギシッ‥
結城が菜々美の両肩の側に手をつきウエストを挟むように両膝をついた為にベッドが軋んだ。

『否定しませんね?』
『…ん』

『素直――だけどそれは昨日であってほしかった、
物わかりの悪い俺ではない』
『………翔子さん』

あ…
あの人の事を言ってしまった………

『翔子?昼間…君の勤務地から歩いては行けないはずだ』

『歩いては昼休みに間に合わない蕎麦屋に車で…そしてまるで病院に行く日を知っていたかのように翔子さんが………
だから…
あたしにはあたしには検診の事言わないくせにあの人には知らせるのね』

言った…
言ってしまった…
だけどもう「嘘だから忘れて」なんて言えない…

『翔子はクラスメートで友達、そして親友の妻だ』

『親友の奥さんだから大切にするの?
検診もあたしには内緒で翔子さんには言うの?
納得いかない』

『ただの検診ですよ、
中谷さんとの食事に検診だから断った事をのぞけば、俺は翔子に知らせた覚えはない』
『中谷さん…取引先の中谷専務…』

だからって!
だからって翔子さんが待ち伏せする事なんてない!

『嫉妬ですか――おおいに結構、
だけど冬物を取りに等と成り行き任せの言い訳はいけませんね、
翔子は親友だと言ったはずです』

菜々美は結城の指先を追って肩先を見たのは、
ストラップをおろされていたからだ。
隠れていた膨らみが少しずつあらわになる。

『嘘はいけませんね』
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