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《愛撫の先に…②》
第2章 菜々美は菜々美
レイプされている夢をみなくなって2ヶ月の菜々美には結城の存在が大きな位置を占めている。
そしてキューピッド役の陽子がレッスンのお膳立てをしなければ菜々美は、
セックスの怖さを引きずり高瀬以外は誰も好きになっていなかったかもしれない。
だから彼女のみる夢は
※フロント業務の彼、
※いまだに実現していない彼との旅行、
※ウェディングドレスでチャペルを歩く新郎はもちろん彼と、
――そんな幸せな内容に変わりレイプの悪夢はみなくなっていた。
砂浜が出てきたのはいつか結城と歩きたいと思っていたのだろうか?
写真でしか知らない翔子を実際に間近で見て打ち合わせ見学には会話もして、
菜々美の中で現実の中谷翔子が時折頭を占め夢にまで現れたのか。
『またレイプされた夢でも?顔に汗をかいている』
絞ったあたたかなタオルで顔や首を拭いてくれている結城に焦点を合わせる菜々美。
『結城さんここに居るの?』
『菜々美何を言っている?』
菜々美は彼の手に触れ安堵し微笑む。
『………あたしをおいて行っちゃった夢…』
『バカですね――何故泣く?検診で俺の命が短いとでも思いましたか?』
『泣く?…、!?夢だけで泣いているもんだと…』
頬にひとすじの涙が彼女の首筋をつたう。
検診!
そう、怖くて聞けなかった重要な事…
『体……悪いの?』
『いい年をした大の男が歯医者が苦手だと君に笑われるかと思うと隠し通すしかなかった』
『歯医者?
あたし心配して…心配していたのにっ!
結城さんが死んじゃうかと…――』
菜々美は仕事も手につかない程結城の身体を心配していた日々を思い、また涙。
『悪かった………』
結城に抱きしめられる菜々美はゆっくりと彼の髪のにおいを嗅いで毛先を撫でる。
『母さんが歯医者嫌いで歯医者は痛くて怖いもんだと思っていて…』
『歯医者なの…あはは』
笑う菜々美の唇は結城の唇に塞がれて悪夢さえも、
検診の事も忘れさせてくれるよう。
結城さん…
不安を溶かして…
そしてキューピッド役の陽子がレッスンのお膳立てをしなければ菜々美は、
セックスの怖さを引きずり高瀬以外は誰も好きになっていなかったかもしれない。
だから彼女のみる夢は
※フロント業務の彼、
※いまだに実現していない彼との旅行、
※ウェディングドレスでチャペルを歩く新郎はもちろん彼と、
――そんな幸せな内容に変わりレイプの悪夢はみなくなっていた。
砂浜が出てきたのはいつか結城と歩きたいと思っていたのだろうか?
写真でしか知らない翔子を実際に間近で見て打ち合わせ見学には会話もして、
菜々美の中で現実の中谷翔子が時折頭を占め夢にまで現れたのか。
『またレイプされた夢でも?顔に汗をかいている』
絞ったあたたかなタオルで顔や首を拭いてくれている結城に焦点を合わせる菜々美。
『結城さんここに居るの?』
『菜々美何を言っている?』
菜々美は彼の手に触れ安堵し微笑む。
『………あたしをおいて行っちゃった夢…』
『バカですね――何故泣く?検診で俺の命が短いとでも思いましたか?』
『泣く?…、!?夢だけで泣いているもんだと…』
頬にひとすじの涙が彼女の首筋をつたう。
検診!
そう、怖くて聞けなかった重要な事…
『体……悪いの?』
『いい年をした大の男が歯医者が苦手だと君に笑われるかと思うと隠し通すしかなかった』
『歯医者?
あたし心配して…心配していたのにっ!
結城さんが死んじゃうかと…――』
菜々美は仕事も手につかない程結城の身体を心配していた日々を思い、また涙。
『悪かった………』
結城に抱きしめられる菜々美はゆっくりと彼の髪のにおいを嗅いで毛先を撫でる。
『母さんが歯医者嫌いで歯医者は痛くて怖いもんだと思っていて…』
『歯医者なの…あはは』
笑う菜々美の唇は結城の唇に塞がれて悪夢さえも、
検診の事も忘れさせてくれるよう。
結城さん…
不安を溶かして…