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《愛撫の先に…②》
第2章 菜々美は菜々美
『結城さん髪を撫でていい?』
『すでに今撫でているでしょう?』

『ううん…今は頭を抱きよせているの…あたし結城さんの髪を撫でたい…』
『ふふっ――おかしな人ですね、さっきあんなに髪をクシャクシャにしていたのに』

さっきあんなに髪を――と言うのは彼に膨らみの先端を吸われ握るシーツから彼の髪に指をさしいれた事を言う。

『結城さん…』
菜々美は赤くなる。

『好きなだけ撫でていい、
菜々美は俺の金髪が好きなのですか?』

『金髪が好き…』

翔子さんみたいに…
翔子さんみたいにあたしも結城さんを癒してあげたい…
髪を撫でたい…

『翔子?』
『えっ…』
『なんでもない…』

結城さんの金髪が好き…
過去みたいにいじめられないよう黒髪を染め見た目から身を守るような金髪がせつなくて…
そしてもう隠さないで!
歯医者が苦手だと笑わないから!
翔子さんよりあたしに弱味をみせて!
だからあの人の上書きのように髪を撫でていたい――

『俺は子供じゃありませんよ?仕方ないですね』

そう言って笑う彼に菜々美は呟いた。
『あたしにも弱味をみせて…』

『俺は強く在りたいのに?
菜々美…引っ越そうか』

抱きしめあい眠りについたのは真夜中になる。

翔子を越えようとする菜々美のひたむきな想いを彼は呟きに疑問文で返した。

『菜々美は1人しかいない――』
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