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《愛撫の先に…②》
第1章 あたし磨き
菜々美はバスローブの前を左手で握りしめ右手は少しだけめくれた裾を直そうと太もも辺りへ。

視線をそらせて、お願い!落ちつかなくなる…

『納得いかないな、
俺は君に名前で呼ぶように言ったはずです』
『結城さんじゃダメ?
啓輔さんと呼びたくないわけじゃないの、
名前で呼べるよう釣り合うあたしに成長したら啓輔さんと呼びたい』

『叶えたい夢とは?』
『いつかはきっと…でもあたしだけじゃ叶えられない』
『自分磨きと夢が叶うまで君はずっと俺を結城さんと呼ぶつもり?
啓輔でいいと言っているのに』

結城さんは大人で優しくて泣き虫のあたしを包みこんで守ってくれた――
あなたが好き…
将来結城菜々美になれるならあたしは強くなりたい!泣き虫を卒業したい!
だからこそ身の回りからの自分磨きを…―

『菜々美喋らないなら言わせるまでです』
『!?――な…にを』

膝を曲げた彼女の足元へ座る結城は両手を菜々美のウエストにあて起きあがらせると、
結ばない菜々美の髪がふわりと揺れた。

『な…にを?』
驚くと同時に菜々美は結城の胸板に手をあてた。

そんな彼女の手を掴む結城は指に舌を這わせてく―――…

『結城…さん』
『必ず言わせてみせる』
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