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《愛撫の先に…②》
第2章 菜々美は菜々美
帰宅するとリビングのテーブルに結城が間違えて持っていった菜々美の携帯が置いてあるのに気がついた。

1度帰宅した結城が2人の携帯をすり替えたものとみられる。
結城の携帯を奈々美は持たなかったので。

【菜々美、ランチはオムライス食べに出よう】
陽子のメールにはオムライスという単語はあったがたまごホリックの店名はなかった。

読まれても読まれてなくても問題のない内容だったが結城がオムライス=たまごホリックだと考えた事に菜々美はブルッと震えた。

以前結城がたまごホリックの店名を1度だけ口にし菜々美を誘った時に彼女が嫌がった事をしっかり覚えていた件で、結城はたまごホリックに何かがあると予測したのか。

メール送信の後菜々美宛の内容を結城が読んだ可能性が少なからずあるとすれば結城がたまごホリックに来るかもしれないと不安すらあった陽子だった。

だからこそ落ち込み仕事に支障をきたし課長に怒られる菜々美を心配し陽子は泊まろうか?とまで言ってくれていたが、もしかしたら結城がいるかもしれないと菜々美は断っていた。

結城はいないひとりぼっちの家はやけに広く寂しく、ベッドもまた広く両手を伸ばしてもまだ余るくらいで菜々美は普段居るはずの結城の枕をなで顔をうずめた。

携帯を手にし電話を待つが陽子以外にはしばらく何もなく結城に電話をする勇気すらわかなかった。

「君は何も話してくれないからでしょう」
――菜々美は昼間の結城の言葉を思い出す。

電話をする勇気がないあたし…
たまごホリックのあの人の事を黙っていたのはあたし…

《蒼い恋人》という作品はあたしが作った携帯小説、主人公が恋する男性を結城さんのイメージにあわせて想いを書いていると満足したの――…

嫉妬したり泣いたり笑えたり恋する主人公を幸せにしてあげたいと、あたしは片思いの切なさと両思いの幸せを《蒼い恋人》の彼へ書いていたの…

陽子以外に結城さんの事を言える友達なんていないから溢れる気持ちを消化する為に小説を書き始めたのかもしれない。

思えばあたし小説にではなく結城さんへ想いを伝えていれば良かったのかもしれない――…

「すきにするがいい」
あたし何も結城さんに話していない………

もう小説は書けない…
こんな思いのままでは哀しみの結末でしかない…

菜々美はサイトを開き《蒼い恋人》を非公開にして携帯を放る。
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