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《愛撫の先に…②》
第2章 菜々美は菜々美
それから電話が鳴って菜々美は相手を確認しないまま話していた。
『ごめんなさい』
『わたしの考えを予測したから謝罪してる?』
『夏帆先輩?』
結城さんかと思った………
『何でって声ね、
素人でも作品を書いている限りは作者の都合で非公開にしない事、蒼い恋人は完成させてあげなきゃ』
『先輩が編集者だから?』
『そうね、編集者だから中途半端で投げだされる作品が可哀想』
『蒼い恋人みたいな完璧な彼氏なんていないわ、想いが通じるなんてバカな夢物語はもういいのっ』
『江崎らしくない』
『あたしはあたしです、作品を非公開にするのをとやかく言われる筋合いなんてありません』
『蒼い恋人が江崎の理想の夢物語なら尚更わたしは最後まで読んでみたかったわ』
『もう書けません』
『だったら読者は?』
『あたしもう書けないんですっ』
『失恋でもした?』
「すきにするがいい、俺はスイートタイムに帰る」――そうは言われたけど失恋した訳ではない?
でも突き放されたのよ…
『……よくわからない」
『どっちにしろケジメだけはつけなきゃ新しい恋は出来ないから、作品もね。
サイトを見てたら非公開にしてあるもんだから慌てて電話してみたけど話せて良かったわ。
江崎は江崎らしく、じゃね』
電話は切れていた。
あたしはあたしらしく?
ケジメをつけなきゃ新しい恋は出来ない?
最後は怒らせた顔でいいの?
最初は予言が出会いだったけどあたし結城さんに恋をして良かったと思ってる…
この恋を終わらせるならケジメが必要ね?
翔子さんには勝てないけどあたしだって結城さんにプリンを買ってプレゼントしてやるんだから――
菜々美は引き出しの中に入れた伝票を出し眺めた。
何故プリンかはわからないけど対抗してさよならするには牧場プリンなのよ。
『ごめんなさい』
『わたしの考えを予測したから謝罪してる?』
『夏帆先輩?』
結城さんかと思った………
『何でって声ね、
素人でも作品を書いている限りは作者の都合で非公開にしない事、蒼い恋人は完成させてあげなきゃ』
『先輩が編集者だから?』
『そうね、編集者だから中途半端で投げだされる作品が可哀想』
『蒼い恋人みたいな完璧な彼氏なんていないわ、想いが通じるなんてバカな夢物語はもういいのっ』
『江崎らしくない』
『あたしはあたしです、作品を非公開にするのをとやかく言われる筋合いなんてありません』
『蒼い恋人が江崎の理想の夢物語なら尚更わたしは最後まで読んでみたかったわ』
『もう書けません』
『だったら読者は?』
『あたしもう書けないんですっ』
『失恋でもした?』
「すきにするがいい、俺はスイートタイムに帰る」――そうは言われたけど失恋した訳ではない?
でも突き放されたのよ…
『……よくわからない」
『どっちにしろケジメだけはつけなきゃ新しい恋は出来ないから、作品もね。
サイトを見てたら非公開にしてあるもんだから慌てて電話してみたけど話せて良かったわ。
江崎は江崎らしく、じゃね』
電話は切れていた。
あたしはあたしらしく?
ケジメをつけなきゃ新しい恋は出来ない?
最後は怒らせた顔でいいの?
最初は予言が出会いだったけどあたし結城さんに恋をして良かったと思ってる…
この恋を終わらせるならケジメが必要ね?
翔子さんには勝てないけどあたしだって結城さんにプリンを買ってプレゼントしてやるんだから――
菜々美は引き出しの中に入れた伝票を出し眺めた。
何故プリンかはわからないけど対抗してさよならするには牧場プリンなのよ。