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《愛撫の先に…②》
第2章 菜々美は菜々美
矢嶋先輩の研修は厳しかったけど仕事を外れると今みたいに面倒見のいい先輩で、研修担当が矢嶋先輩で良かったと思ってたの…

そんな先輩の財布を拾った時困っているかと先輩に連絡をとって渡したらハグをされた時から頻繁に食事に誘われたな…

文章を書く事が好きで編集もしてみたいと語っている先輩は数ヶ月後会社を辞めて連絡も来なくなって…

この間、駅の近くで再会した時はビックリしたけど嬉しかった…

先輩と会える嬉しさと編集の仕事はどんなもの?っていう興味で会いに行ったけど、そこで結城さんの過去に関わる翔子さんに会うなんて思いもしなかった………

先輩に会わなければ翔子さんに会う事もなく想像するだけのあやふやな翔子さんで済むはずだったのに、
翔子さんに会ってしまうと結城さんは控えめな翔子さんに恋をしていたのかと苦しくなる‥‥‥――

まだ高校生だった頃、
男子に絡まれた翔子さんを喧嘩に弱い結城さんがかばって身体中に叩かれたり蹴られたり――…

過去の結城さんはそれで強くなろうと思うとあたしは苦しくなる‥‥‥――
だって翔子さんをかばった事から始まっているもの―――

スイートタイムで読んだ小説がまさかの翔子さんで、作家の翔子さんは冷たく嫌な感じであたしは逃げた…
結城さんは嫌な翔子さんを知らないのかしら…

その時また携帯がなり菜々美は考えるのをやめ画面を見ると手が震えた。

『………』

『―――菜々美?』

結城さん…
何の用なの…
だけど久しぶりに聞くこの声………――

『いつまで避けるつもりですか?』

『………』

『………答えたくないならそれでいい、だが陽子さんの所に行っていると思ってメールをしましたが彼女は君は日帰りで会っていないと言う。
女の子が、いや20代の君のような女性がこんな時間まで何をやっているのです?』

女の子…
君のような女性が…
ときめいてはいけないのに…
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