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《愛撫の先に…②》
第2章 菜々美は菜々美
「こんな時間まで何をやっているのです?」と結城が問うのもむりはない、
時刻は20時30分を過ぎていたからだ。

『周りが騒がしい、君は1人ではなく友達の家族と一緒なのか?』

『あたしだけ』

『……JR?子供のはしゃぐ声とメロディ……今そんなルートではとても――…君は本当に…』

『えっ?何?結城さんっ』
菜々美の問いかけも時すでに遅く電話は切れていた。
列車は乗り継いで3つ目であり菜々美は駅で降りたが4つ目の列車は40分後となりため息をつく。

4つ目の列車を降りるとバスに乗りかえるのだ。

行きは3時間20分で家から牧場までかかったのだが帰りは牧場から歩いていた事と田舎のバスや列車は便数が少なく、おまけに休日ダイヤで更に便数が少ない為に先ほどみたいに40分待たなければいけなくなる。

バス停のベンチに座るとすぐに見なれない50ccの青いバイクがとまりジーパンと黒いシャツの男性が近くにきた。

誰?

『菜々美さん♪迎えにきた、後ろに乗って♪』

見るとたまごホリックの店員が嬉しそうに菜々美に近づき肩をだく。

『あたしが待っているのは江崎先輩です』

『注文したばかりのパスタを食べずに出ようとするから訳を聞くと菜々美ちゃんが関係する事だからさ』

だから来ちゃったっていうような得意気な顔をし店員は菜々美に向けヘルメットを差し出す。

『後ろに乗って』

ええっ?
この人の腰に両手をまわし身を預けるなんて嫌…

『さあ乗って』

『………』

『菜々美ちゃん』
店員はバイクから降りて菜々美を抱き上げようとした。

逃げなきゃ…
っていうよりバスで帰ればいいのよ…

『ダメです、あたしはあなたを好きにはならない』

だから親切にしないで…
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